64*国見少年と及川先輩 ページ15
その後も目でAさんを追う日が数日続き、すれ違えば挨拶するくらいの認識はされていた。
｢なぁにしてるの？｣
それは突然で落ち着いた甘い声は俺のすぐ横から聞こえ、思ったよりも背が低いことに驚く。
部活中の部長らしい頼り甲斐が彼女を大きく見せていたのかもしれない。
｢委員会の資料を生徒会室に届けに来たんですけど、誰も居なくて。｣
学年委員になってしまい、月１の委員会のあと資料を提出するまでが仕事らしく、３年のフロアにある生徒会室前に来ていた。
｢ご苦労さま。国見英君、だよね。
資料は私が預かるよ。こう見えても生徒会の副会長なの。｣
｢助かります。よろしくお願いします｣
Aさんと話してる。副会長ってことも朝会の時とか壇上に立っているから知ってる。
同じくらい、いや俺の方が少し背が高い。
やっぱりこの声好きだな、なんて頭の中はこんな感じ。
｢まだ時間ある？
入って入って。｣
開かれた生徒会室の扉と手招きする笑顔に断る事なんて出来ず、謎の２者面談。
｢これあげる。生徒会室にこっそり食べるお菓子置いてるんだよ。
基礎練習頑張ってて偉いね。｣
｢見てたんですか？｣
｢可愛い子いるなぁって見てたよ。
走り込みとか基礎は私も好きじゃないけど、うちの男子は強いからその分試合数も多くなるし体力付けなきゃないよね。｣
｢…ありがとう、ございます。｣
何となく、いつもより元気がない、ような気がする。
見過ぎていたせいで目が合ってしまう。
柄にもなく緊張しているな。
｢なぁに？もう一個お菓子食べる？｣
｢いえ、フラレましたか？｣
｢…見てたの？｣
図星だったらしいし失礼にも程がある。言った言葉は消えないけど、Aさんは笑ってみせた。
｢クソ野郎過ぎて別れて正解。
徹には内緒ね。心配しちゃうから。
国見ちゃんは好きな人に一途な良い男になるんだよ？｣
好きな人に一途。
ちゃんと話したのはこの日が初めてだったけど
Aさんの少しだけ物悲しそうな瞳が強がっている。それが痛くて、好感を持てた。
なのに明るくてバレーに真剣で、後輩思いな人だと思っていたから尚更…好きだと思った。
｢付き合ってる人いないなら、俺と付き合いませんか？｣
｢なぁに？慰めてくれるの？｣
｢それも込みで｣
｢ありがと。でも、まだまだお子ちゃまだからなぁ。
国見ちゃんが高校生になったらね。｣
告白はこの一度きり。
今、高校生になり隣にはAさんがいる。
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モカ(プロフ) - Neo.@ねおじゃなくてねぉ.さん» コメントありがとうございます！キュンキュンして貰えて嬉しいです♪更新頑張りますね！ (2020年1月19日 1時) (
レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
Neo.@ねおじゃなくてねぉ.(プロフ) - ホントに胸がキュンキュンします!!応援してます!!! (2020年1月19日 0時) (レス) id: 2a7a0a653c (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - ひななさん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえると嬉しいし、ヤル気も出ます！更新頑張りますね！ (2020年1月11日 2時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
ひなな(プロフ) - 毎日毎日このお話を楽しみにしてます！これからも頑張ってください！ (2020年1月10日 13時) (レス) id: 7b6c2dd18e (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - 森のいちごさん» ありがとうございます！更新頑張りますね！ (2020年1月6日 12時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モカ
| 作成日時：2020年1月5日 16時
