触れてもいいですか？【桃】

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『…私ね、中学校の時、好きな人がいたの。…幼馴染みたいな感じで、私とシゲと彼とユカ。よく4人で遊んでたりしてね。』





桃「…おん。」





『彼、私が好きって知っててね。…けど彼は私のこと好きじゃなくて、付き合えなかったの。…でも優しくしてくれる彼に浸ってて、少し淡い期待抱いてて』




『…ある日、急に付き合おうって言われて。…もう幸せでさ？本当に幸せで。それから毎日、本当に毎日がキラキラしてたの。』




『…でもね、1ヶ月経ったくらいでね、急に教室残っててくれって言われて』




…嫌な予感するな





『2人きりになって、しばらくして、…ふと呼ばれた名前に顔を上げたら、見たことない顔をしてて。…なんか、怖くて』





『…無理矢理キスされたの、見たことないくらい怖い顔で、…男の顔？で。…抵抗してもね、力じゃ敵わなくって、そのまま窓に押し付けられて、苦しくて…』




『私が好きだった彼は優しくて、いつもニコニコしててね、…だから、怖くなって。見たことない彼に怖くて。泣いちゃって。』




『…そしたらね、「俺のこと好きなんやろ？やったらこれぐらいできるやろ」ってね、そのまま彼の…っ、…を咥えさせられてね…』





…は…？




『苦しくて、苦しくて…』




肩を揺らして震えるAに、なんで俺は触れられないんや。





桃「…うん、大丈夫やで？」




できる限り優しい声で言えば、少し落ち着いたみたいで。




『そのまま、無理矢理最後まで…。何も幸せじゃないし嬉しくないし、怖くて辛くて…。泣く私を見て「やる為に付きおうたのに」…って言われた。「…お前なんでそない幸せそうやないん？お前の好きな人とシたんやで？」って。』




『…そのあと、「使えへん奴」って言いながら殴られた。』




…なんや、そいつ。




『…望？顔怖いよ、へへっ』




無理して笑うなや…。





『…私のために怒ってれてる？…嬉しい』





桃「…そりゃ怒るやろ」





『…ありがとっ。…その日の夜、家に帰ってからシゲに電話したら凄く凄く慰めてくれて、少しだけ安心してね。…なんとか眠れたんだけど』




…重岡はいつもAのこと支えてるな。




…ずっとまえから。



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