春色無鉄砲ボーイ【赤】

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何度も鏡の前に立ってくるくる回る。






慣れへん服装にドキドキする。





Aさん、こういう服好きなんやろか。





髪をくしゃくしゃ搔く。





もー…髪のセットほんまに分からへん。





わ、もうこんな時間や。





Aさんめっちゃ早く来そうやし…





不安に思い少し早く家を出て、ついたのは15分前。





ついてちょっと息を整えていると、駆け寄る音がする。






ふと音の元をみれば、昨日ユカさんにオススメされてた服を着て顔を赤らめてるAさん。









………かわええ、







普段まとまってる髪も緩く巻かれて、





まつ毛も長くて、瞳も潤っていて、





普段ならバーって走って来てグイって抱きついてくるのに





何故かもじもじしながら近寄ってくる。






…おん、かわええ。普段と違いすぎる。






まぁほんまは、普段着てるらしいカジュアルの方が俺の好みやけど、






Aさんに対して好みとか関係ないらしい。





どんな服でも、その〜、…な。







お互い挨拶だけ交わして、気まずい空気が流れたまま集合時間になった。





『ユカ遅いな…』





その一言で、時間になっても三人が来ていないことに気づく。





赤「望も時間は守るんやけどな。流星は確実に寝坊やな」





『藤井くんは確実(笑)』





あ、やばい。笑顔やばい。





高鳴る心臓を抑えようとスマホを取り出して画面をみれば、






三人からの“行けない”の文字






え？ちょっとまって？






『え………二人？』





同じことを心の中で言った。





まって、二人とか無理





赤「…帰ろかな」




『ええやん！いこうやー！！』






手を引かれて進む。






いやもうその、簡単に手繋ぐの辞めてくれへん？





抵抗とかあらへんの？？






少なくとも俺は、






意識しとんねんで？






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