8.陽キャ、引き際を心得る ページ9
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白ひげ……!
できるだけ自然に怯えた表情を浮かべながら、奥歯を噛み締める。
とてつもない存在感と、威圧感。
世界最強。
これほどこの言葉が似合う男はいないだろう。
作戦1、同情お誘い作戦は成功した。
まず、怯えた振りをして害がないアピールをし、甲板まで連れ出してもらう。
まさか白ひげの船の甲板に行くなんて思わなかったけど。
それからいかにも被害者だという雰囲気で、真実を誤魔化しながら起こった事を話す。
泣きそうな声色と表情で喋れば、わりと簡単に同情を得ることが出来た。
少しでも同情心が芽生えれば、あとは能力で増幅させるだけ。
これだけの人数に能力を使うのは些か不安だったけど、思ったよりも余裕だった。
ただ、流石に隊長ともなれば話は変わってくる。
私が増幅させることのできる感情は、その時一番比重を占めている感情だけなようだ。
常に私を疑っていた人は、より一層私を疑わせることになってしまった。……仕方ない、それが今の私の限界だ。
だから対策として、次の作戦を用意してたけど。
……ダメだな。
私の思考は、すでに見透かされている。
さっき視線がかち合ったとき、確信した。
その証拠としてはこの重圧。
ミシミシと船が鳴き、私の座っている付近の木が嫌な音を立てて割れた。
なんだっけ、これ……あぁ、そうだ。
覇王色の覇気。
こんなの受けて気絶しないの、ホント褒めて欲しい。
……潮時かな。
慎重に両手を上げて、穏やかにみえるような笑みを浮かべる。
「降参です。もう何もしない」
「……!動くな!!」
後頭部に銃を突きつけられ、周りの視線が同情から敵意と恐れに変わる。
同時にあの威圧感からは解放されて、私は床に抑え込まれた。
「ほんとに何もしないって。能力も解いたし」
「お前……!一体何者だよい!」
「……話すから、とりあえず体勢変えてくれない?腕取れそう」
白ひげと私を押さえ込んでいる人との間で、微かなアイコンタクトが交わされる。
上の重みがなくなったのを確認して、元の体勢に戻った。
「じゃあまず、どこから話そうかな……」
9.陽キャ、食にこだわりがない→←7.船員、コロりと騙される
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あ - とってもこの小説面白いです❗️続き楽しみです❗️ (2022年5月9日 7時) (レス) @page25 id: 10e7663963 (このIDを非表示/違反報告)
寿 ライラ(プロフ) - この小説面白いです!!続き楽しみです!!待ってます!!! (2021年8月26日 1時) (レス) id: 3d43c01a40 (このIDを非表示/違反報告)
嫁子ちゃん。(プロフ) - えー!びっくりです嬉しい(ToT)また絡みにきますイゾウが素敵‥ (2021年6月28日 15時) (レス) id: 5ba219b0db (このIDを非表示/違反報告)
コンソメおぢさん(プロフ) - 嫁子ちゃん。さん» ワーッコメントありがとうございます!私も嫁子ちゃん。様の小説大好きです!まちまちになると思いますが、更新頑張ります!! (2021年6月28日 13時) (レス) id: 1f42978bef (このIDを非表示/違反報告)
嫁子ちゃん。(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!更新楽しみにしてます、無理せず頑張ってください\(^^)/ (2021年6月28日 12時) (レス) id: 5ba219b0db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コンソメおぢさん | 作成日時:2021年6月22日 14時