一方通行卒業 ページ12
「俺のが幸せ」
「だって、俺すーごいAのこと好きだし」
A「へ？」
「一目惚れなんだけど」
A「え？え？どういうこと？」
心底不思議そうな顔をして
こっちを振り向いたA
その拍子に耳にある金木犀が
小さく光る。
今までなんとか抑えつけてた気持ちが
ダムが決壊したみたいに
溢れてく
「はじめて会った日からずっと好き」
Aは珍しく俺から目を逸らして
ちょっと俯いてて
A「……わたし、裕太が思ってるよりいい子じゃないよ。きっとダメなとこたくさんあるよ、」
「いいよ」
A「ガサツだし、ヤキモチだってやくし、嫌なこも言っちゃうし」
「じゃあ全部受け止めさせて」
A「でも、」
「Aは俺のこと嫌い？」
A「そんな聞き方ずるい……
嫌いなわけないじゃん。すごい好きだよ、」
Aを腕の中におさめて
細い腰に手を回して
こちらに抱き寄せれば
はじめて俺の背中に腕を回してくれて
Aから感じる心音は
俺とおんなじくらい早くて
心なしか呼吸も熱い。
緊張してるのはきっとAも一緒で、
「やっと言えた…」
A「ありがとう、」
「なにがー？」
A「わたしのこと好きになってくれて」
「ふふふ、何それ？」
A「わたし一目惚れとか今までしたことなくって、」
「え？」
A「いや、裕太に一目惚れして、それが人生初っていうか、」
「え？」
Aを少し離して
目を見ると
きょとん、としてて
「一目惚れし合ってたってこと？俺ら」
A「ん？うん、そうみたい」
「まじ、か…」
「ずーーっと俺の一方通行だと思ってた…」
だって、素っ気なくされることもあったし
掴めないし、予測不能だし
脈なしだーって落ち込んだりもした
A「裕太モテるだろうし、わたしが好きになっても痛い目見るだけだな、って思ってたから。好きにならないようにしなきゃ、諦めなきゃ、って思ってたから、」
「なんだそれ…」
A「だって、」
「俺A以外考えられないよ。責任とって？」
A「ふふ、責任かあ」
「だから、ずっと俺のでいてよ」
A「それで責任とれる？」
「うん。お礼にたくさんたくさん大事にする」
A「裕太がそばにいてくれたらそれだけでいいよ」
そう言って照れて
俺の胸に顔を埋めるから
また心拍数が上がって
聞かれてないかな、
でもAになら格好悪いとこも見せられるや、って。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 411人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くまこ(プロフ) - ぴんさん» お返事、更新遅くなってしまいました（ ; ; ）とっても嬉しいです！！更新頑張ります！ (2020年1月14日 21時) (
レス) id: 9b703cb6ff (このIDを非表示/違反報告)
ぴん - 既に何回も読み直してしまうくらい大好きです！更新楽しみにしています！ (2020年1月3日 23時) (レス) id: 9264be83f2 (このIDを非表示/違反報告)
ほーちゃん(プロフ) - がんばってくださいね！楽しみにしてます！！ (2019年12月22日 8時) (レス) id: b77d86ce83 (このIDを非表示/違反報告)
くまこ(プロフ) - ほーちゃんさん» ありがとうございます！引き込まれるは泣いて喜びます（ ; ; ）更新がんばりますね！ (2019年12月21日 10時) (レス) id: 9b703cb6ff (このIDを非表示/違反報告)
ほーちゃん(プロフ) - 久しぶりにすごい引き込まれる作品に出会えました。作成していただきありがとうございます。 (2019年12月19日 20時) (レス) id: b77d86ce83 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くまこ | 作成日時：2019年12月12日 20時
