気まぐれごちゃまぜアニメ短編集。3冊目 (ページ36)

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【BLEACH】酷い人【朽木白哉】　ヒカリさんリクページ36

桜木 A ―Sakuragi―

四大貴族の一つ。桜木家の長女

朽木白哉の許嫁
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貴女side

「婚約を破棄していただけないでしょうか」

サァ、と全身の体温が急激に下がったような感覚に陥った

目の前の世界がいきなり歪んだように見える

生真面目な白哉様に限って、冗談何て言う訳がない

けれども今は、心の底から冗談だと言って欲しい

嘘だと嗤って欲しい

紫がかった水晶のように美しい白哉様の瞳には、迷いや動揺なんてものは一切ない

本心、なのね

淡々と述べた事実はとても単純で、とても残酷で

強烈な目眩を覚え、米神を抑え俯くことしかできなかった

私はあまりにも衝撃的で、言葉を発する余裕はない

彼は私の返答を待っているのか、口を閉ざしているのだろう

呼吸音がはっきりと聞こえるほどに、静かな部屋

私の目に、白哉様の手が映り込んだ

膝上で微かに震えている手が

嗚呼、そうか

愛しいと思える女性が出来たのか

頭の中にそんな考えが浮かんだ

とても喜ばしいことだ

白哉様に守りたいと思える女性が出来たなんて、本当に喜ばしい

だけど、それは私ではない

同じく四大貴族である桜木家の長女との婚約を破った

これ即ち、朽木家当主である彼は我が桜木家から信用を失うということ

他者に朽木家当主は恥さらしだと、愚か者だと揶揄されるということ

それでも尚、その女性を選ぶのか

『素敵な女性なのですね』

常に冷静沈着な彼が動揺したように、見えた

それが可笑しくて、思わず小さく笑みを零した

『元よりこの婚約は両家の先代の当主が決めた事、彼らが亡き今』

『それを決めるのは我らで御座います』

最後の、強がり

『私という許嫁が居りながら、他の女性を好きになるような夫など』

『こちらから願い下げです』

彼はただ何も言わず、静かに頭を下げた

「ありがとう」そんな言葉を残して私の部屋を去って行った

『酷い人』

精一杯強がって、冷たい言葉を投げかけたのに

ありがとう、だなんて

私の思いと共に涙が頬を伝う

さようなら、私の初恋

end

リクエスト有難うございました！！

緋真さんと結婚するにあたって、こんな裏エピソードとかあればいいのになーと思い書かせていただきました！！

遅くなってしまい大変申し訳ございません・・・！！！