出会いは突然に ページ29
sideマサイ
それは、シトシト雨の降る日だった。
今日は専門学校時代の友人の結婚式に呼ばれていた。慣れないスーツとネクタイを身に纏い。イヤでも気持ちが引き締まる。
真っ白な教会で愛を誓う2人は綺麗で。心から幸せになって欲しいなと思った。
___少しの時間、休憩を挟んで◯◯会場にて、披露宴を行います___
アナウンスが入ると、少し息抜きしたくなって会場を出るとまだ止まない雨が地面を濡らしていた。
幸せたっぷりな2人を見ていると、Aさんに無性に会いたくなるのは仕方の無い事だと思う。
シルクから聞いた、素麺事件で彼氏がいない事を知り。積極的になる俺。だって、アイツは家まで行って(モトキも一緒だけど)素麺ご馳走になったり、あれ程イライラしてたリョウなる人に会ったりと、なんかどんどん仲を深めて行ってる気がして、正直焦っていた。
電話してみる?いやいや、忙しいだろうし。LINEか?
なんて、考えながら式場の入り口近くの屋根のある場所で、悩みながらスマホを取るとやってきた一台のタクシー。
降りてきた人と目が合って、気づく。
「え?」
ポンッと、真っ青の空色みたいな綺麗なブルーの傘を開いてタクシーを降りると、ヌーディーなベージュ色のパンプスをカツカツ響かせ俺に向かって小走りするその人。
小川「マサイくんっ!?どうしたの?」
「いや、こっちの台詞だから。なんで?Aさん?」
小川「スーツ。似合うね。カッコイイよ」
会いたいと思った人が、目の前に。一瞬、夢かと思ってパチパチさせる目に映るのはやっぱりAさん。
「いや、うん。Aさんも、めっちゃ綺麗」
小川「改まって言われると恥ずかしいね。でも、ありがとう」
伏し目がちに笑うAさんはやっぱり綺麗で。濃いグリーンのドレスが白い肌によく似合っていた。
聞けば、新婦の友人で本当は式から出る予定だったAさん。でも、打ち合わせや会議やらでなかなか会社を出れず披露宴からの出席にしたとの事。
会場に一緒に戻ると、挨拶してくるね。って新婦に駆け寄って楽しそうに話しているのを俺は遠くから見つめていた。
披露宴は式よりかしこまった感じはなく、和やかに行われていた。立食で好きなモノを手に取り、呑んで。お祝いのスピーチや、音楽演奏なんかに耳を傾けていた。
小川「マサイくんは、何かするの?」
挨拶が終わったのだろう。俺の隣に戻って来たタイミングで、会場がバンッと暗闇に包まれた。
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まひろ(プロフ) - かなとさん» コメントありがとうございます。すいません。外すのを忘れてました。ご指摘感謝します。 (2019年10月19日 11時) (レス) id: 5f80a217b3 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面の注意文をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です。ご本人様方にも迷惑がかかります。ルールというものをちゃんとご確認下さい (2019年10月19日 8時) (レス) id: fca7c03b31 (このIDを非表示/違反報告)
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