第99話 ページ6
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いよいよ、最上階のフィールドだ。
レッドとヨウが、バトルフィールドの対岸で相対する。
「…… …… ……」
(相変わらずだんまりなんだな〜この人……！)
ヨウはレッドの無口ぶりに若干怯んでいるが、それでもぐっと気合を入れて、
「よろしくお願いします！」
と元気よく挨拶をする。
レッドもそれを受け、大きく頷いた。
審判を務めるスタッフが「両者、一番手のポケモンを出してください！」とコールする。
レッドが繰り出したのはリザードン。
そして、ヨウ側はミミッキュである。
「つかさっきも思ったんだが、あのポケモンなんなんだ？ミミッキュとかいったか、ピカチュウのなりそこないみたいな……落書きしたシーツ被ったみたいな……なんなんだあれ」
グリーンが引き気味になっているのも珍しい。
「まあ、ミミッキュについては……いろいろ語ることがありますので……一応、特性とタイプだけ把握しておけばいいです。ゴースト・フェアリータイプ、特性は『ばけのかわ』です」
「なんだその特性……？」
「ミミッキュにしかない特性で、一度だけ攻撃を無効化する、という特性です」
「何それつっよ」
「ええ……何が来るかわからない一番手、ヨウくんとしてもミミッキュならとりあえず行動保証があるから、ということなのでしょう」
「ふーん……」
審判が、両者のポケモンを確認した。そして高らかに、
「それでは。バトル、スタート！」
と宣言する。
次の瞬間、何かを予感させるような音楽が、バトルフィールドに響き始めた。
「お、これってもしかして！」
「はい、お二人の専用曲です！よかった、ちゃんと流れてくれました！」
「なんだよこれ、めっちゃカッケエじゃん！」
グリーンはこのBGMが大層気に入ったようで、興奮気味に「やべー！」と連呼している。
「ふふふ、気に入ってくださって何よりです、作曲家の方にお礼のお手紙書かないと！」
そんなことを言っている間にファーストターンが終わっていたようで、ミミッキュの首が折れている。
「ちょちょちょ、ミミッキュ首折れてんじゃねーか、あれ大丈夫なのか！？」
「ああ、ミミッキュが攻撃を受けて『ばけのかわ』の効果が使用済みになるとペコンと首が折れちゃうんですよね。正常なので大丈夫ですよ」
「はー……世の中色んなポケモンがいるもんだな……！」
「ええ、ポケモンは不思議なことばかり。自分の知らないことばかりです」
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作者名：リトルポム | 作成日時：2022年8月3日 23時
