第96話 ページ3
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ポニの険路を進んでいくと、何やら進行方向に、自然を利用した施設のようなものが見えてきた。
「……もしかしてあそこが、ハウの言ってたバトルツリー？」
《確かに、奥の方におっきなおっきな樹が見えてるロト……》
「よし、もうひと踏ん張りだ！」
気合を入れ直し、残りの道を進む。
「にしてもどんなところなんだろうなあ、バトルツリー……強い人同士バトルする場所ってことくらいしかわからないもんなあ……」
《アローラはいろんな地方から人が来る場所だから、もしかしたらヨウと同じカントー生まれの人もいるかもしれないロトね！》
「なるほど！カントー生まれの人、いたらいいなあ〜」
《出身地が同じだときっと話も弾んで楽しいロトね〜》
「だよな！そういえば、ククイ博士もリーグ作るのに勉強のためにカントー行ってきたらしいし、博士の知り合いもいたりするのかな！？」
《楽しみだロト！早く行こうロト〜！》
「おー！」
ヨウがバトルツリーに足を踏み入れると、向こうから二人の人物がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。
柿色の髪の青年と、赤キャップが印象的な青年である。
そして、柿色の髪の青年が、「きみ、ヨウだろ？」と話しかけてきた。
「は、はい……」
「なあ！レッド、さすがオレだろ？」
「…… …… ……」
柿色の髪の青年とは対照的に、レッドと呼ばれた赤キャップの青年は無口な性格のようだ。
「オレの名前はグリーン！こいつはレッド」
柿色の髪の青年は快活に自己紹介してくれた。
「はじめまして、そしておめでとう、アローラのチャンピオン！」
「あ、ありがとうございます……」
自分がチャンピオンになってからほんのわずかしか経っていないのに、関係者以外にまさか知っている人がいるとは驚きだ。
「オレたちもカントーでチャンピオンだったんだぜ！」
「ええっ！？」
同郷どころか、故郷のチャンピオン経験者と遭遇してしまいヨウは驚きを隠せない。
「さて、チャンピオン同士の出会いだ。どう思うレッド」
「…… …… ……」
レッドは考え込んでいるのか何も喋らない。
「あいかわらず無口だな」
(あ、いつも無口なのかこの人)
「オレはトレーナーだからな、強そうなやつがいたら戦いたくなっちまう」
「え、てことは……」
「勝負しようぜ！さあ、どちらを選ぶ？」
「えええ！？ど、どちらを選ぶと言われても……！」
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作者名：リトルポム | 作成日時：2022年8月3日 23時
