第112話 ページ19
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「なるほど、良い話を聞いた。今度行ってみるとしよう」
「はい、お待ちしています！」
「その口ぶりだと、Aはバトルツリーのスタッフなのかな」
「いえ、私はバトルツリーの発案者で。監督はしていますけど、実働は他の皆さんにお任せしてしまっているんですが」
「そうか、まさしく『私のバトルツリー』と言って差し支えないわけだね」
「Aさんってすごいのよ……本職は研究者なんだけど、バトルツリーもとてもしっかりしたバトル施設になっているわ」
「なるほど、研究者のお嬢さんか……そんな君が作ったバトルツリー、楽しみにさせてもらうよ」
ギーマの怪しげな笑みは、どこか楽しそうでもあった。
「先程ボストレーナーにカントーからのトレーナーを据えたと言っていたね」
「はい、レッドさんグリーンさんですね」
「彼らはどういう人物なのかな」
「えっと、お二人は幼馴染で。昔はライバル同士として切磋琢磨していたみたいです。グリーンさんがチャンピオンになって間もなく、レッドさんがグリーンさんを破ってチャンピオンになられたそうで」
「ほう、両者チャンピオン経験者か」
「どちらかと言うと、レッドさんが技の威力で押してくる感じで、グリーンさんがテクニカルで戦略的な感じ……だと思います」
「ふむ、君はどちらが好きかな」
「そうですね……お二人ともタイプは違えどお強いですし、どちらの戦い方も見ていてワクワクしますし……どちらとも言えないですね」
そう言ってAが苦笑すると、「なるほど」とギーマがふっと笑う。
「カトレア、彼女はどうにも罪な女性のようだ」
その言葉を受けたカトレアは、「それには同意よ……」と肩をすくめた。
「さて、ギーマにも会ったことだし、そろそろバトルツリーに戻りましょ、Aさん」
「カトレアちゃんがそれでいいのなら。ではギーマさん、またバトルツリーで！」
「ああ、A、ちょっと待ってくれ」
ギーマは懐を探って何かを取り出し、「手を出して」とAに促した。
Aが大人しく右手を差し出すと、ギーマはその手を優しく取って、Aに何かを握らせた。
「プレゼントだよ。これが何なのかはバトルツリーに戻ってからゆっくりカトレアに聞くといい」
「わ、わかりました」
有無を言わせぬギーマに若干戸惑いつつも、Aはリザードンを呼び出し、カトレアと一緒に再びバトルツリーへと向かうのだった。
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作者名：リトルポム | 作成日時：2022年8月3日 23時
