くじら一家の末っ子くん part2 (ページ37)

今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:212,050 hit

くじらが83匹ページ37

『よし、じゃあ行ってくる！
行こう、ハコ』
「わふっ」

甲板に立って、ハコの中からサーフボードを出した
皆はわざわざ見送りに来て、気を付けろよー！と声をかけてきた
俺はそれに手を降ってサーフボードとハコを抱えて船から飛び降りる
海に落ちる寸前にサーフボードに乗り込み、波を操る

『あの島まで頼む』
〈任せて！〉

波が大きく俺とハコの乗るサーフボードを運んでくれる

.

少しすれば、島の近くまでついてしまった
島は一見するとなにもないように見えたが、植物の様子が不自然だ

『ふむ、植物で建物をカモフラージュしたのかな？』
〈ねぇねぇ！声が聞こえるよ！〉
〈洞窟があるみたい！〉
『洞窟…、なるほどそこから船をいれたのか』

風の便りを聞いて、そこに向かうと確かに船と洞窟があった。

『洞窟からじゃぁ、怪しまれるよね
…上るか』

なんメートルもある高い崖をみて呟く
ハコを落ちないように抱えて、サーフボードを紐でくくり、風の力を借りて、崖を上る
上りきったらハコの中にサーフボードをしまう

『…』
「わふ？」
『ん？ああ、崖に人が登った跡があってさ…
この島に俺ら以外に侵入者がいるっぽいね』

何かをさしこみ、それを便りに登った跡
果たして、俺にとってその人物が吉とでるか凶とでるか……

帽子を深くかぶり直して、俺は歩き出した