浦島坂田船と海賊娘

冒険の書13冊目 ページ26

次は、帆のマークを決める。

これは、各自絵を描いて、1番良いと思うものを

帆のマークにすることにした。

私は何も思い付かず、とりあえず桜のマークを描いてみた。


坂「うらたさん、もうこれでいいんじゃない?」


横を見ると、坂田が覗きこんでいた。


貴「なんでだよ、お前らのも見せろよ。」


私はそう催促したが、他の3人は「とても見せられるようなものではない」と

頑なに断っていたので、結局私が描いた桜のマークに決まった。

そして最後に海賊団名を決める。


浦「今までは、『浦島坂田船』って名乗ってたけどなー。」


坂「じゃあ、『浦島坂田歌子船』?」


島「語呂悪くないか?」


船「でもなあ・・・僕らの名前入れたい気もするしなあ・・・」


散々話し合ったが、結局これだけは決まらなかった。

いつまでも議論を続けても仕方ないので、各自一旦部屋に戻った。

私もなかなかいいアイディアが浮かばず、頭を抱えた。

とりあえず荷物の整理をしようと思い、懐に入れていた護身刀をしまおうと

机の引き出しを開けると、数枚の紙が出てきた。

どうやら、書きかけの楽譜のようだった。

『Carry Forward』

歌詞から考えると、多分これの意味は『夢を運ぶ』といった感じだろうか。


＿＿＿＿＿＿＿ 海に出て、もっと多くの人達に俺達の歌を聞かせたい。


歌を届けたい、と言う うらたさん達の思い。

歌詞と共通しているワードは『運ぶ』=『Carry』

・・・この海賊団名はどうだろう。

私は意を決するや、部屋を飛び出した。

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