浦島坂田船と海賊娘

思い出の書8冊目 ページ21

〜センラside〜

さかたんを連れて、今は船の上。

さかたんは船に着いてから、ずっと泣いていた。

いや、引きずってた途中から泣いてたかもしれん。

僕はずっとさかたんを慰めた。

さかたんのせいやない、あいつが強かった、

きっとまだ生き残っとる人もおるはず、

色々なことを言ったけど、全然さかたんに届いてる気は

せえへんし、自分が言ってることがだんだん気持ち悪くなって

目頭が熱くなってきた。

声もどんどん震えてくる。

かける言葉も見つからんくんなって、目に涙がたまってく。


浦「・・・ごめん。」


島坂田船「・・・えっ?」


いきなり、うらたんの謝罪が聞こえて

見ると、ものすごくつらそうな顔をしたうらたんが立っていた。

うらたんが謝る理由が分からなくて、呆けてしまった。

ただただ疑問が頭に浮かぶ。 なんでや、うらたん。


浦「言い出しっぺ俺なのに・・・最悪の場合を想定しないで、

武器とか持ってこれなかったし・・・・。」


　普通はそんなの想定出来ひん。


浦「俺が・・・3人を俺の夢のために・・・・自分の身勝手な

理由で誘ったから・・・こんな、悲しい思いをさせちまった・・・。」
　

何言っとんねん、僕達の夢でもあるんちゃうんか。


浦「もう、俺の夢に・・・ついてこなくていいよ・・・・。

本当に・・・ごめんなさい・・・・。」


　そんなつらそうな顔で、何言っとんねん。

絶対、本音でそんなこと言ってないやろ。

皆、別れたいだなんて思ってないで。

誰も、うらたんのせいやと思ってないで。

頼むから、そんなつらそうな顔で、悲しいこと言わんでや。

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