【ωrωrd!】科学は全てを解決するらしい、マジで【軍パロ】

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｢申し遅れました｣と、狐面の彼はおじぎをする。

｢私、ここで秘密裏に医者兼ね、薬品研究をしているくられと申します｣

医者―？確か6階にはしんぺい神様が管理している薬品研究室と治療室があるのではなかったか？

｢確か6階に治療室と研究室があるんじゃないんですか？なぜ地下に？｣

｢あ〜つまり闇医者なんだよ。公に出来ない治療と研究をしてる｣

｢へ、へぇ……｣

なるほど。つまり私はいまから公にできない治療と研究を行っている人の治験に参加するわけだ。それを見透かしたかのようにくられ先生は｢この新薬は死なないよ｣と言った。

｢知ってるかもしんないけど、俺はゾムやで｣

緑のパーカーの彼はニッっと笑いかける。ゾム……どこかで聞いたことのあるような。彼は私の反応が薄いのを見て｢え！知らんの？｣と大袈裟におどろく。

｢俺あんまテレビに出てないし顔出ししてへんからな〜。あ、こうしたら見覚えある？｣

ゾムと名乗った男はフードを深く被る。その瞬間私は声をあげた。

｢あ〜！テレビでオスマン様の隣に立ってた！ゾム……様ですよね！｣

思い出した。私の部署と彼の部署はとても離れているので目にしたことはなかったから分からなかったが、テレビでよくフードを被った状態で写っている。

そして、この国を統べる幹部の1人である。

彼は何故かムッとする。何故か全くわからない。私は今更相手はとても地位が高い人だと気づいた。

何故か彼は不機嫌そうだ。なにか失言はしてないはず、ならどうしてムッとしているのだろう。ダメだ。怒らせてはいけない。

｢申し訳ございません。私なんかにお時間を使わせてしまって｣

｢そういうの要らんから｣

｢はい…？｣

｢だから｣と彼は身を乗り出して言う。

｢そんなかしこまらなくてええわ。なんで急に様付するん？｣

｢そりゃあ、ゾム様はこの国を統べる幹部の一員ですから。とても尊敬してますし｣

ゾムは｢はぁ｣とため息をつく。私の回答が間違っていたのか？

｢俺そういうの嫌いやねん。てか、俺はアンタに怪我させたし尊敬て、おかしない？｣

｢いえ、この程度｣

｢じゃあ命令や。様付けするな｣

私が｢そういう訳には｣と言いかけたところで彼に、じーっと見つめられ、居た堪れなくなり、｢せめてゾムさんでよろしいですか｣と言うと

｢敬語もダメ｣

と言われたので｢ゾムさんでいいで……いいよね｣と小さく答えると彼は満足そうに｢ええで！｣と笑った。

脅威と新薬→←＊

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