第３６話 Side/Bangtan Boys ページ36
２０１４年も残すところ僅かとなった年末のある日、練習室に集まって練習をしていた俺たちの空気は、なんとも言えない微妙な物だった。
メンバー全員が原因に対して心当たりがあったけれど、誰もそれを打開する案を持っていなくて、結局その出口の見えない空気に囚われて多くの時間が過ぎていた。
と言っても、必要なのは打開策ではなく一人一人の心持の変化、受け入れるだけの時間なんだろうな、とテヒョンはうまくいかないグループの様子を見ながらぼんやりと考えた。
２０１３年の夏前に、ヒップホップ色の強いグループとしてデビューして、そのまま活動を続けて約一年半。
デビューした年には新人賞を受賞したし、アルバム制作にも積極的、ペンとの関係も良好で大きな失敗もなく今まで進んできた。
けれど、大きな失敗がない代わりに、大きなヒットも出せていなかった。
原因は何となくわかっていて、自分たちの音楽が大衆受けしないメロディーであることが理由として考えられていた。
だから、次のアルバム、来年の春ごろに発表予定の物ではグループの雰囲気を大きく変えてみようという話になったのだ。
大衆的なメロディーを使用した、青春期の悩みや不安にスポットライトを当てた曲。
アルバム名は『花様年華』として。
イメージも、目的もはっきりとしていて、こういう曲、と示されたものに対しても反発はなかったはずだった。
それなのに、グループでいざ合わせてみようとすると、どうにもうまくいかなくて、それが原因で少し前から流れる空気が微妙な物になっていた。
受け入れる時間が足りていない。
言い訳としてはそれで十分だったけれど、メンバーの誰も、何故自分たちがそうなっているのか把握していないのだ。
固まった空気を溶かすように、ナムジュンが口を開いた。
「一旦、休憩しませんか？ それぞれ、ちょっと気分転換に出かけて、気持ちを切り替えた方がうまくいく気がします」
「おー、レプモン、それイイね。うん、ユンギも最高だって顔してるよ」
間を置かずに賛同したソクジンと、何故か巻き込まれてしまったユンギ。
ユンギもユンギでグループに流れる微妙な空気には気づいていたので、唐突な振りにも焦らずに賛同の声を出した。
じゃあ、と言って、立ち上がったソクジンが、ユンギとジョングクの手を引いてバタバタと部屋を出る。
続いてナムジュンがホソクに声を掛けて練習室を出て行った。
残されたのは出て行き損ねたテヒョンとジミンだ。
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はちうん(プロフ) - 繭さん» ありがとうございます。意識はしているのですが、たまに変な文章を書いてしまうので、そう言っていただけると嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (2018年3月14日 16時) (
レス) id: 0891d2b9a3 (このIDを非表示/違反報告)
繭(プロフ) - コメント失礼します。はちうんさんの文風がすごく読みやすくて尊敬します！これからも頑張ってください！ (2018年3月13日 13時) (レス) id: dba4d43671 (このIDを非表示/違反報告)
はちうん(プロフ) - KNさん» コメントありがとうございます、嬉しいです。これからもよろしくお願いしますね。 (2018年3月12日 7時) (レス) id: 0891d2b9a3 (このIDを非表示/違反報告)
KN - コメント失礼します。この作品すごく好きです。毎日チェックしてます(笑)文章がとても綺麗ですね!これからも応援してます!ファイティン! (2018年3月12日 0時) (レス) id: de585078da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：U_hi | 作者ホームページ：http://id35.fm-p.jp/408/yuna3lone/
作成日時：2018年2月19日 2時
