拾参の刻 ページ14
マイキーと長内が互いに睨み合う。
「中坊相手にこの人数？イメージ通りクソ野郎だね、長内クン」
皮肉にそう言い放つ。しかし相手も皮肉に、
「あぁ゛！？聞こえねぇよーチビすぎて！」
そう返した。
「おい。テメェさっきから何ジロジロ見てんだよ」
今度は武道に矛先が向く。
長内は近づき、武道を殴ろうとする。
しかし、その拳が武道を殴ることはなかった。
長内の勢いをつけた拳が、包帯を靡かせた手に掴まれる。
「あ？何のつもりだ………！？」
睨もうとした長内だったが、振り向いた先にいたのは冷ややかに見つめるAだった。
拳を掴んだ手には明らかに力が込められており、長内の拳に経験したことのない程の痛みが走る。
長内に向けられる瞳は不良らしい睨み等ではなく、威圧感。
口を開けば命はない、そうとでも言いたげな目線だった。
「こいつは我々東京卍會とは無関係の人間だ。
先程のうるさく喚いていた愛美愛主のメンバーも何も言わず、倉庫には静かにAの声だけが響く。
ひゅ、と誰かが息を飲む音すら聞こえる。
「パーよ、今こそこの愚者と勝負をつける時だ」
「ダテ……ありがとな。お前の相手は俺だ、クソ野郎」
Aがそう話しかけ、手を緩めると長内はすぐにAの側から離れた。
こいつは本当に中坊組織の雑魚だと馬鹿にしていい人物ではない……本当に殺される。本能的にそう感じたように。
長内とパーちんは向かい合う。
「ダメだ、パーちん………愛美愛主と抗争しちゃ……」
「…………引っ込んでろ」
こちらを向かずにそう言い放ったパーちん。
「パーちんを舐めんなよ花垣。パーちんは一人で突っ込んでいってチーム一個潰しちまうんだよ。
パーちんは、負けねぇ」
いつもの(本人とパーちんは無自覚の)罵るような発言とは打って変わって、信用しているというぺーやん。
違う、そういうことじゃない……このままじゃ、ドラケンが………アッくんが…………ヒナが…………
「タケミっち。黙ってみてろ。これはパーの喧嘩だ」
けじめは自分でつけなければならないから。そう言いたげなマイキーの言葉が通じたのか傷が傷んだのか、武道は止めようとしなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 250人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
皇 - コメント失礼します！すごく面白いです！話の内容もわかりやすくて、自分の好みでした！このような面白い作品をつくってくださりありがとう御座いますm(_ _)mこれからも応援しています! (2022年1月20日 21時) (
レス) id: 1473541b99 (このIDを非表示/違反報告)
Mａｋｕａ*ぼっち - 続編おめでとうございます！続編楽しみに待ってます！ (2022年1月19日 20時) (レス) @page43 id: 9133ec87fb (このIDを非表示/違反報告)
Mａｋｕａ*ぼっち - すごく面白いですww厨二病主人公大好きなのでこの小説を作ってくださりありがとうございます！更新頑張ってください！応援しています＼＼\\٩( 'ω' )و //／／ (2022年1月14日 16時) (レス) @page38 id: 9133ec87fb (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - ダテちゃん可愛いww (2022年1月13日 19時) (レス) @page3 id: 3fca84560f (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - っっっ…ブフォwww！いやもう笑う要素ありすぎて…w主視点ダメだこれ…www (2021年12月22日 16時) (レス) @page19 id: aa46f024f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白崎 | 作成日時：2021年10月24日 11時
