It melts (ページ5)

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カイと新しい教室に行くと、席に座る。

私とカイの席は遠かった。

1番前の席のカイと、私は1番後ろ。
顔見知りはいるけれど少し心細い。

カイもそうなのか、大きな身体を机に突っ伏して既に眠りの体制だ。

そんなカイに少し笑って、私は始業式の準備を始めた。

１日を終え、帰る準備をしていると

『A』

と、後ろから声がかかる。

「ボムギュ！」

そこには鞄を持ったボムギュの姿。

『A1番後ろなんだ。いいな』

「えへへ。日頃の行いかな。カイは1番前なの」

ボムギュにカイの席を教えると、そちらに視線を移したボムギュ。
相変わらず眠りの体制のカイを確認できたのか、またすぐ私に視線を戻すと、ボムギュは言った。

『お昼食べに行こ』

「うん」

『アミとテヒョン、職員室行ったんだ。そのまま先に昇降口んとこで待ってると思うから行っといて。カイ起こして連れて来る』

「わかった」

わたしはボムギュの言葉に返事をして、先に教室を出た。

昇降口に着くと、２人を探す。

きっと
すると、私が居る靴箱の裏側から
テヒョンの声が聞こえてきた。

『明らかに怒ってるよね、ボムギュヒョン』

その言葉に私は思わず足を止めた。

なぜならその後すぐに、アミの

『Aが絡んでるから、仕方ないよ』

と、いう声が聞こえてきたからだ。

『カイも、ちゃんと言えばいいのに』

『まぁ、そのうち仲直りするでしょ』

何の話だろうか。
私が聞いてよかったのだろうか。

内容から察するに、私の事で２人が喧嘩をしてる？
だけど、２人の喧嘩の原因になるような事をした覚えはない。

確かにボムギュの様子がおかしいとは思ったけれど…。
そう考えてみたら、朝からボムギュはカイの事を見なかった。カイに声をかけることもなく、カイもボムギュに声をかけない。

何かおかしいと思ったのは２人の２人に対する態度だ。
だから私は違和感を抱いたのだと今更ながら気づいた。

２人に声をかけようかと思ったけど、やめた。
もし本当に私が原因なら、2人が先程の会話を私に聞かれたことに責任を感じると思ったのだ。

何も聞いていないふりをして、深呼吸をする。

「アミ！テヒョン！お待たせ！」

そして、今来たばかりかのように２人に声をかけたのだった。