君の隣に 3【東リベ×呪術廻戦】 (ページ27)

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黙り込む理由ページ27

「ねぇ、どう思う？傑ってば、強引だと思わない？」

昼休み。
私は電話でエマに今朝の事を愚痴った。

きっとエマなら私の気持ちを分かってくれるだろう。

そう思って、兎に角話を聞いて欲しかった私は、言いたいことを言い終えると「ふうっ」と息を吐く。

「Aがデート！！………それいい！！」

しかし、電話口から聞こえてきたのは予想外の言葉だった。

「へ？」

「分かった。私がAのコーディネート考えてあげる！」

「え？…エマが？…コーディネートを？……いや、必要ないから！」

「何言ってんの！恋のチャンスでしょ！！」

「いやいや、相手は悟だし…」

「私に任せ───」

そこでエマの声が途切れたと思うと、携帯が引ったくられた。

「あ、傑！」

「もしもし、Aのクラスメイトの夏油傑です。今のお話し是非お願いしても？」

「返してよ！」

ピョコピョコ跳び跳ねて携帯を取り戻そうとする私を傑はヒョイヒョイと避けて勝手に話を進めていく。

暫く話したあとピッと電話を切られた。

「という訳で明日、エマちゃん来てくれるよ」

「勝手に話しを進めないで！」

「そんなにゴネてるのAだけだよ？ほら、悟なんてあんなに静かなんだから」

言われて悟を見ると机に顔を伏せていた。

「あれは昼寝してるだけでしょ」

「さぁ？それはどうかな？」

「何？他に何か理由があるって言うの？」

聞いてもニッと笑うだけで返事はない。

意味深な傑の様子に、私の頭の中にありとあらゆる可能性が浮かんでは消えていった。

＊＊＊＊＊

「あれは昼寝してるだけでしょ」

「さぁ？それはどうかな？」

少し前からAと傑の会話が俺の耳には入ってきていた。

くそっ！

あーっ！そうだよ！

昼寝なんてしてねぇ！！

どんな顔していいか分かんねぇから、顔を伏せているだけだ。

傑の提案は俺を黙らせるのには十分だった。

Aとデート。

そう言ったアイツは“感謝しろよ”とばかりにウインクまでしてきた。

Aの前だと余計なこと言っちまうし、いつも以上に素直になれない自覚はある。

でもそれを止めることも出来ない。

それでもAとデートしろと言われて、それを拒否できないのは……………

ハッキリ認めたくはねぇけど、とっくに好きだからだ。

恐らく、初めての呪術実習でAに負かされたあの時から。

自分の中の気持ちと葛藤しながら、俺は昼休みが終わるまでそうしていた。