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雨の王国、1 ページ6
今日も今日とて雨は止まない。
梅雨だからではない。
異常気象だからでもない。
“そういう国”だからだ。
「本日の授業はここまでです」
「ありがとうございました」
教えに来てくださった先生にお礼を言い、部屋から出ていくのを見送る。
「はぁ････」
私はこの部屋から出たことがない。
否
出させてもらえないのだ。
決して狭くはない部屋。
人1人が生活するのには十分すぎる大きさの部屋だ。
しかし、人1人の世界にしては狭すぎた。
「お嬢様、お着替えをお持ちしましたよ」
「ありがとう。･･･ねぇ、ばあや」
「どうか致しましたか？」
「どうして私はこの部屋から出られないの？」
何度目か分からない質問を投げかける。
「それはお嬢様が特別な方だからですよ」
そしてばあやはいつも決まった返事をする。
こうして私は今日も答えが聞けないまま。
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