浦島坂田船 マフィアパロ［2］ ページ11
「っし、ボスに報告も済ませたな」
「捕らえた奴らが吐いてくれるやろか...？」
「いざとなればセンラが！」
「僕そんな役割嫌やで？」
騒ぎながら歩いているとやけに集まる視線。
「嘘だろ？あいつらさっき出て行ったばっかりだよな...！？」
そう、彼らはほんの数十分前に任務に出掛けたばかりだったのだ。
あまりの仕事の速さに驚愕の声を上げる。
「なーなーどっか食べに行かへん！？」
「坂田お前、また太るぞ」
「まーしぃそんなこと言わんとって！！」
「でももう1個任務あるからなぁ...」
「そっか...じゃあ終わったら！」
人懐っこい坂田の笑顔に志麻とセンラはうんとしか言えなくなる。
無邪気に笑う坂田は大変愛くるしいのだがその笑顔のまま人を殺めることも多々あるので敵味方、どちらも恐れている。
「あーわりぃ、次の任務行けないわ」
「どうしはったんです？」
「野暮用」
その一言で分かった、と3人は返事する。
こうやってすんなりと受け入れてくれるのも長年の付き合いの賜物だろう。
「んじゃ、俺らは任務行くか」
「うらさんも行ってらっしゃーい！」
3人が見えなくなったらうらたはポケットから紙を1枚取り出した。
内容はこうだ。
『今すぐ1人でここに来い』
短い文の下には指定された場所への地図。
「はぁ...行くか」
憂鬱な気分になりながらもうらたは指定された場所へ。
そこは古ぼけた廃ビルだった。
「来てやったぞ！どこかにいるんだろ！！」
うらたが大声で叫ぶ。
誰もいない廃ビルにうらたの声だけが響く。
すると奥から出てきたのは............
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