多分君よりココロオドル ページ24
登校を促す目覚ましに起こされた気怠い体も、甘い出来事のせいで幾分か調子が良かった。
身だしなみを整えいざ寮を出ると、柱にもたれスマホをいじる彼が視線を上げる。
見間違うはずもない、四方八方に跳ねたクリーム色の髪、深紅の瞳。制服は相変わらず着崩す勝己くんが、サポート科の寮の前で立っている。
待ち人を想う彼の瞳は余りに珍しくて、素っ頓狂な声が鼻から抜けた。
「ひぇあ」
「なんつぅ声出しとんだ」
朝から美麗な勝己くんは心臓に悪すぎるなぁ、と思いながら隣に並ぶ。
お友達として傍にいた今までと圧倒的に違う距離感に、早朝起きかけの思考は忙しなくなった。
おはようの挨拶もそこそこに踏み出した彼から、寮から校舎までの短い道中にも拘わらず手を取られ再び私の心臓は騒ぐ。
一方呆れかえっている勝己くんはやけに自然体で、緊張しているのは私だけではなかろうかと頬を膨らませた。
「だって。……勝己くん、やじゃない？」
「何がだ？」
「いや、こう、…噂、とか」
頬をかき、赤い瞳から逃げる様に目を逸らす。
お前ならもうちょいイイコ選ぶんじゃねってある事ない事言われるかもしれん、とぶつぶつ呟く私を鼻で笑う勝己くん。失礼な。
「あ？お前そんなマイナス思考だったかよ」
「酷いな。そりゃ気になるよ、好きな人が自分のせいで悪く言われちゃいやだもん」
勢いに任せ我ながら凄い事を言ったな？と小さく首をひねる。
案の定、は。と腑抜けた声が飛び出てきて、思わず見上げた。
「卑下すんなや。寧ろ俺ァちょうどいいんだよ」
「何がちょうどいいんだ…」
ちらりと見下ろす瞳は変わらない。少しだけ握る手に力がこもって、長い睫毛の下、鋭い瞳はまっすぐ私を見ていた。
「…俺のもんだって見せつけられっからな」
自信たっぷりに痩せた瞳。体の中心から持ち上がる熱が頬に溜まって、更に強く握り返した。
「ほんとに絆されちゃいそ…」
「覚悟しろや」
周りを歩く生徒や木々を訳もなく目で追ってしまいながら、声が掠れる。
案の定教室まで送ってくれるし、ホームルームギリギリまで話していてくれるのだから、再びの質問攻めに遭うのもしょうがなかった。
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Umi(プロフ) - なゆさん» わ〜！！楽しんで頂けてよかったです！こちらこそご覧下さりコメントまで頂戴しありがとうございます…！！ (2021年12月2日 21時) (
レス) id: 266bb1a809 (このIDを非表示/違反報告)
なゆ(プロフ) - 終始ときめきっぱなしでした...！！好きです！ありがとうございました！ (2021年11月30日 4時) (レス) @page33 id: 8a48c9aede (このIDを非表示/違反報告)
Umi(プロフ) - 羽凪_9さん» 長いお話をご覧頂き、また私の妄想にもありがとうございます…！！同士様…！！🥺大変嬉しいです！よろしければぜひ、よろしくお願い致します🥰 (2021年11月27日 20時) (レス) id: 266bb1a809 (このIDを非表示/違反報告)
羽凪_9(プロフ) - 最後まで読ませていただきました！主様、分かります…バクゴーはどちらかと言うとかっこいーって感じだけど見れば見るほど…カワイクネ?思ってくるんですよね…ホントもうスンゴイ、分かります！… 、お気に入り作者様に追加させて頂いてもよろしいでしょうか?! (2021年11月27日 17時) (レス) @page37 id: cebfff4930 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：み
| 作成日時：2021年11月25日 15時
