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薄い唇が一度スプーンを覆い隠して、何事もなかったかのように遠ざかった。
「…あっま」
「でも美味しいでしょ。」
「……悪かねェ。」
くい、と親指で唇を拭う勝己くんは、ソファへ深く腰を掛けなおした。
間接キス。と思いながら次の一口。動揺しない訳がないが自分でしておいて言い出せるはずもなく、黙々と食べ進めた。
「…そういやさ、テスト範囲ってやっぱりそれぞれ違うのかな」
「…今どこまでしてんだ」
少し熱を持った頬も、淡く薄暗い店内のお陰できっと分からないと思う。…多分。
クリームを含み見上げると、再びすぐに赤い瞳と目が合う。
ずっと見られている様な気がする。
私は絶世の美少女と言う訳でもないので、多分、気のせいだと思うけれど。
ぼんやりとした勉強の記憶を話すと、大体合致した。ヒーロー基礎学なるものがあるはずなのに勉強は他の学科と同じスピードだなんて忙しいなぁ、と思った。
「じゃあ、久しぶりに一緒に勉強しない？進みが早くて追い付けないんだよね」
「おう。俺の部屋来い」
「やった。がんばろ。」
緩む頬のまま、グラスにスプーンをいれる私を、口角を緩め見守ってくれる勝己くん。
昔から、悪態をつきながらも分かりづらい優しさをくれる人だった。彼が一番で、周りも頷けるほど強くて、後を追うのも何も疑問に思わなかった。
ここ最近は、その不器用な優しさを沢山くれる気がする。
受験勉強に精を出していた時とは違う、柔らかな気もち。
ずるいなぁ、期待しちゃうなぁ、しまい込んだ気持ちが最熱しそう。
トップヒーローを目指す道の足かせになりたくない。応援したいと一緒に走ってきたのに、今更煩わしくさせてしまうのが怖い。
だからちょっと、最近の勝己くんは怖い。
私が、もう一歩を望んでしまいそうで。
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Umi(プロフ) - なゆさん» わ〜！！楽しんで頂けてよかったです！こちらこそご覧下さりコメントまで頂戴しありがとうございます…！！ (2021年12月2日 21時) (
レス) id: 266bb1a809 (このIDを非表示/違反報告)
なゆ(プロフ) - 終始ときめきっぱなしでした...！！好きです！ありがとうございました！ (2021年11月30日 4時) (レス) @page33 id: 8a48c9aede (このIDを非表示/違反報告)
Umi(プロフ) - 羽凪_9さん» 長いお話をご覧頂き、また私の妄想にもありがとうございます…！！同士様…！！🥺大変嬉しいです！よろしければぜひ、よろしくお願い致します🥰 (2021年11月27日 20時) (レス) id: 266bb1a809 (このIDを非表示/違反報告)
羽凪_9(プロフ) - 最後まで読ませていただきました！主様、分かります…バクゴーはどちらかと言うとかっこいーって感じだけど見れば見るほど…カワイクネ?思ってくるんですよね…ホントもうスンゴイ、分かります！… 、お気に入り作者様に追加させて頂いてもよろしいでしょうか?! (2021年11月27日 17時) (レス) @page37 id: cebfff4930 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：み
| 作成日時：2021年11月25日 15時
