矢印は曲がらないらしい ページ13
最近、何故か彼から怒涛の攻撃をうけまくっている。
「何があったのAちゃん…。」
「爆豪さんにもやはりお優しい一面があったのですわ…！！」
私達が見てるのは幻？と事実を受け入れがたいお茶子ちゃんと、両手を祈る様に掴み感動する百ちゃん。
対する私は、何とも言えずにただ乾いた笑みをこぼしている。その間にも。
「…A、来い。」
「…うぃ。」
ぽん、と大きな手が頭に乗って、柔い声が落ちる。いつもは問答無用で引きずる癖にその手は私が見上げるまで動くことは無かった。
はわわ、と驚きが声に漏れ出るお茶子ちゃんは両手で口を覆う。
「ごめん、また後でね」
「ええ、またお話しましょうね…！」
二人に振った手の手首より少し上の当りを握られ進み始めた。
たった数歩で終わる、自席へと導くだけの手。
私の腕を握る勝己くんの手は大きくて、指が余っている。
なんとなくそこを見たままでいると、机の手前で足を止めた勝己くんは、ん。と小さく声を発した。
くい、と余りに優しい力で椅子の方へ腕を引かれたが、当の勝己くんは何も動かない為見上げてしまう。恐らく勝己くんの席に座れということなのだろう。
「…座っていいの？」
「許可とるもんでもねぇだろ」
口調はいつも通りだが、軽くお礼を告げ勝己くんの席へ座る私に少し満足げだった。そんな彼はというと、自分の机へ寄り掛かる様に少しだけ座り、私を覗き込む様に見下ろす。
「…Aが言ってた調整すんの、あれもうちょい小さくできねぇか」
「へっ、…あ、う、うんあれね、……エッ、小さくかぁ、やっぱり今のサイズでも邪魔よね」
つり上がる事のない、眉間にしわも寄っていないかっちゃんの視線。割と見慣れているつもりだが、他人がいる環境下では珍しい。
名前を呼ばれる頻度も何故か上がっていて、こちらの心臓は危険性が増すばかりであった。
低く這うような声から発せられる私の名前は、他の誰を呼ぶ時よりも包む様に優しい。幼馴染というマージンを抜いても、どこか期待してしまう程に突然の熱だった。
思わず腑抜けた声が鼻を抜け、慌ててスマホを取り出す。
指でスワイプしながらデータを見せて、これぐらいはどう？と指し示す。
覗く瞳はやっぱり真剣で、私だけやましい気持ちになる訳にはいかない、と目を伏せた。
その深紅に誰よりも深く見つめられているとは知らずに。
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Umi(プロフ) - なゆさん» わ〜！！楽しんで頂けてよかったです！こちらこそご覧下さりコメントまで頂戴しありがとうございます…！！ (2021年12月2日 21時) (
レス) id: 266bb1a809 (このIDを非表示/違反報告)
なゆ(プロフ) - 終始ときめきっぱなしでした...！！好きです！ありがとうございました！ (2021年11月30日 4時) (レス) @page33 id: 8a48c9aede (このIDを非表示/違反報告)
Umi(プロフ) - 羽凪_9さん» 長いお話をご覧頂き、また私の妄想にもありがとうございます…！！同士様…！！🥺大変嬉しいです！よろしければぜひ、よろしくお願い致します🥰 (2021年11月27日 20時) (レス) id: 266bb1a809 (このIDを非表示/違反報告)
羽凪_9(プロフ) - 最後まで読ませていただきました！主様、分かります…バクゴーはどちらかと言うとかっこいーって感じだけど見れば見るほど…カワイクネ?思ってくるんですよね…ホントもうスンゴイ、分かります！… 、お気に入り作者様に追加させて頂いてもよろしいでしょうか?! (2021年11月27日 17時) (レス) @page37 id: cebfff4930 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：み
| 作成日時：2021年11月25日 15時
