演劇部の綺麗な先輩 ページ22
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「赤葦〜、助けてくれ！」
それから数日経ったある日の放課後。
俺が白い紙にひたすら赤い手形をつけていると、後ろから名前を呼ばれた。
振り返ると「うわぁ、何だよその手！」とクラスの男子が俺の赤い手を見て後ずさった。
「どうしたの」
俺は手に塗った赤い絵の具を床に垂らさないよう、新聞紙の上に手を浮かせながら、肩越しに振り返る。
「あ、そうそう。暗幕が足りなくてさ」
その言葉に窓を見ると、貼れらた暗幕が二枚ほど足りていない。
「採寸図って取り置きしてたんじゃないの」
「それが計算ミスってたらしくてさ。お前演劇部の先輩と仲いいじゃん？ほら、あの綺麗な三年の」
あぁ、Aさんのことか。すぐにわかった。
「暗幕、借りられねえかなって」
「頼む赤葦！」と俺に手を合わせる彼の後ろでは他の人たちも、「赤葦くんお願い！」と申し訳なさそうに俺を見ている。
残念なことに、ウチのクラスには演劇部員が一人もいない。
最終的に俺頼みってわけ。
「いいよ、頼んでみる」
言って立ち上がると「赤葦くんごめんね」「ありがとう流石赤葦！」と俺を崇めるかのように手を合わせた。
まだ暗幕を借りられると決まったわけでもないのに。
俺は赤く染まった手を洗って、三年生の階へと向かった。
三年生にもなるとやっぱり最後の学校際に掛ける熱量も違うな。
Aさんは木兎さんと同じクラスで、確か１組。
「見て見てA〜！これかっこよくね！？仮面ヒーロー的な！？」
「木兎いいからそっち持ってってば。あとその段ボール使うから廊下に出しておいて！」
「ちぇっ」
教室を覗くと、木兎さんが段ボールを頭に被ってはしゃいでは、Aさんに怒られていた。
そして渋々布の端を広げている二人が目に入る。
すると俺に気づいた木兎さんが「おー、あかーし」と手を挙げてこっちに向かってきた。
「こら木兎手離さないで！」
Aさんが木兎さんに向かって叫んでいる。
「あかーし、どうした？」
「Aさんに用があって」
「えっ、俺じゃないのかよ！？赤葦…」
分かりやすく肩を落とした木兎さんに、周りにいた人たちが「振られたな木兎〜」「どんまい」と笑っている。
「A〜！木兎の後輩が呼んでるよ〜！」
そばにいた先輩が、Aさんを呼んでくれた。
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凛々 - 赤葦と夢主の掛け合いが素敵…。甘さが私に合いすぎです！続きが気になって仕方ないです。 (2019年11月8日 20時) (
レス) id: df09ac0ca3 (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - 39話以降のタイトルのセンス良すぎでは…。全話タイトルつけてほしいくらいです。。。 (2019年9月23日 18時) (レス) id: c3e4fd17c8 (このIDを非表示/違反報告)
madoka - コメント失礼します。小鈴さんの作品は「これぞ純愛！」って感じがして、穢れが一切ない感じがたまらなく好きです！今回もいい感じのキュンキュンありがとうございます！番外編と続編も楽しみにしています！これからも頑張ってください！ (2019年9月20日 13時) (レス) id: b7f00b86d0 (このIDを非表示/違反報告)
ずー(プロフ) - あまーい！！実は木兎さんが主人公に片思いをしていたこともめっちゃ胸キュンでした！！本当に小鈴さんの作品大好きです！！！！！ (2019年9月19日 13時) (レス) id: 1ffe4440e9 (このIDを非表示/違反報告)
すいか(プロフ) - めっちゃキュンってくるのと、赤葦のかっこよさが、いつもより増してまじでよかったです！他の作品も読んでみようと思います (2019年9月18日 20時) (レス) id: 2af2bdbcf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小鈴
| 作成日時：2019年9月7日 19時
