木兎先輩ブーム ページ15
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球技大会終了後から、木兎の下級生からの人気は凄まじいことになった。
ちなみに球技大会サッカーの種目では木兎の活躍もあり、見事に彼のクラスが優勝。木兎胴上げ待ったなしでその幕を閉じた。
試合終了後は「木兎先輩写真撮ってください！」と、下級生たちが木兎の周りをがちがちに囲んだりもしていた。
「おう、いいぜー！」と気前よく写真撮影に応じていた木兎も下級生の列が最後尾に差し掛かる頃にはヘトヘトになって、クラスの打ち上げに参加する気力すらなくなっていた。
赤葦が「木兎さん、体力バカなのに…。余程疲れたんでしょう」と同情して頷くほどには、木兎はボロボロだった。
その後も【木兎先輩ブーム】は続き。
球技大会の日以降は、木兎とすれ違う下級生たちが頭を下げては「目が合った！」だとか「今日もかっこいい！」だとかキャッキャと騒いでいて、隣を歩く私は何とも言えない気持ちになっていた。
それでも、私が木兎の彼女であることは変わらず。
やっと木兎の彼女が私であると下級生にも認知されてくると【木兎先輩ブーム】が過ぎ去っていた。
目立つことが大好きな木兎は少し寂しそうにしていたが、私は安堵していた。
【木兎先輩ブーム】期間中、騒ぎ立てる下級生に対して不満を抱いていた私は、自分でも気づかないうちに木兎に少々冷たくなっていたらしく。
決して、木兎が悪いわけじゃない。ただの、私の嫉妬心。
それが不安になった木兎が赤葦に「Aが最近冷たい」と、相談していたことを知ったのはブームが過ぎ去った後の話。
＊
「なぁ、A。最近いいことあった？」
お昼休み。
私の席でしゃがんで机に顔を乗せる木兎が、私の顔を覗く。
「なによ、藪から棒に」
「ヤブから？棒？なんだそれ？」
「もう…。なんでもないよ、木兎！」
私が笑うと木兎が「なんだそれ」と首を傾げた。
「早く昼行こうぜ！」
「ま、待ってよ！」
ニッと笑って私の手を引く木兎に、ずっと離さないでほしいなんて。
ちょっと乙女チックなことを思ってしまう自分に、我ながら少し驚いてしまうのだった。
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アニメしか勝たんっ！！ - やっぱり、木兎さんはかっこいい...！ すっごくキュンキュンしました！ それと、赤あしの片思い... 素敵な作品ありがとうございました！！ (2021年9月6日 19時) (
レス) id: a9d6af11eb (このIDを非表示/違反報告)
しきし(プロフ) - 木兎が好きで色々な木兎作品を読みますが、結局小鈴さんのこの作品に戻ってきてしまいます、何度読んでも好きです！！ (2020年8月21日 20時) (レス) id: 46b82dd2cd (このIDを非表示/違反報告)
モンブラン♪@アップルパイも捨てがたい(プロフ) - 尊い。私ごときの語彙力じゃ表せないです。なんか、もう、尊い。 (2019年11月24日 22時) (レス) id: 4e49721770 (このIDを非表示/違反報告)
c.f(プロフ) - 番外編読みました。私のツボを抑えておられますね…最高です。そして実は短編集とかもいける口では…？と思ってしまうほど纏まった内容でドキドキが止まりませんでした！また更新楽しみにしてます！ (2019年10月4日 21時) (レス) id: 05c431cb99 (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - 通知がきて飛んで来ました！やっぱり木兎さんの書き方上手ですね。強引な感じも好きです。そして作者さんも好きです。これからも楽しみにしてるので更新頑張ってください！！！ (2019年10月3日 18時) (レス) id: 1247715456 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小鈴
| 作成日時：2019年7月30日 20時
