【名探偵コナン】愛され松田の恋愛事情【男主】

らぶ9 ページ9

｢……松田、そいつから離れろ｣

｢いや…だ。おめぇら、俺がどいた、ら、また舘川…にひど、いこと、すんだろ｣



掠れた痛々しい声で、精一杯に言葉を紡ぐ松田がとても健気で、思わず抱きしめたくなる。

が、そんな事をしようものなら幼馴染故の遠慮のなさでパンチを食らうだろう。

それも本望っちゃ本望なんだけど、でも今は舘川だよね。


松田をこんなに泣かせた挙句、わざと傷付けるような言葉をぶつけたんだ。

降谷のアッパーだけじゃ足りない。




松田は泣き腫らした真っ赤な目尻と、頬に伝ういく筋もの涙の跡を残した顔で、舘川の頭をきゅ、ときつく抱き込む。



｢……松田、舘川は今松田の事を傷付けたんだよ。部屋からは出てくし、うるさくもしないから舘川の事離してあげて？｣

｢萩原、目、笑ってねぇ。あと、俺、は舘川に、酷く…すんな、っつって…んだ。そこん、とこの返事が、ねぇ｣



じんぺーちゃんに言い返された言葉にう、と詰まる。

だって。


じんぺーちゃんをこんなに悲しませて。
泣かせて。
傷付けたんだ。


俺らは舘川に松田を慰めて欲しいって言ったのに。

それを守ることなく、反対の結果をもってして舘川は謝ることもなく帰ろうとした。



正直、松田の幼馴染としても、一人の人間としても許せる行為じゃない。



｢…………ごめん、じんぺーちゃん。今回ばっかは、お願い聞いてあげらんない、かな｣



俺の声音に本気を感じたのか、松田がさらに舘川を抱き込む力を強め、



｢じゃぁ、おめーら、全員嫌いだ｣


｢｢すみませんでした｣｣



告げられた言葉(死刑宣告)に、俺と降谷と諸伏と伊達の言葉が綺麗に重なった。

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