【名探偵コナン】愛され松田の恋愛事情【男主】 (ページ3)

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らぶ3 ページ3

俺にはとても好きな人がいる。

松田陣平。

警察学校で知り合ったそいつは、どこかほっとけなくて素直じゃなくて喧嘩っ早くて、たまに見せてくれる笑顔がとても素敵な人物だ。

恋愛感情とかじゃなくて、ただなんとなく構いたい。

幼馴染であるヒロも同じ気持ちのようで、俺とヒロ、萩原と伊達とで松田親衛隊を結成している。

そんな大好きな松田には、悔しい事に好きな人がいる。

舘川(たてかわ)A。

警察学校に通う同期で、特に目立ったところの無い普通の人物。
正直な話、初め名前を出された時に誰なのか全く分からなかった。

それほどまでに良くも悪くも普通の人物なのだ。その舘川Aというやつは。

特筆すべき特技もなければ、別段仲の良い友人がいるわけでもなし。素行不良でもないが、授業態度は真面目とは言い難い。

そんな何処にでも居るような奴に、何故松田が惚れるのか。

甚だ疑問だが、恋する松田がとても可愛いので俺は黙って応援する。

そもそも松田の告白断るやつなどこの世にいない。つまりこの恋は絶対成就。約束された松田の大勝利ってやつだ。

だというのに。

｢……俺の事、愛してくんねぇの？｣

『うん、わりぃけど』

なんなんだあいつは！！！

松田一世一代の大告白をバッサリスッパリ一刀両断。慈悲の欠けらも無いまでに切り捨てた。

ありえん。

あんな可愛いこと松田に言われてまで断れる舘川Aの精神が。

あいつもしかして人間じゃないんじゃね？思わずといった感じで呟かれた萩原の言葉に激しく同意。

ぐっと涙を堪えた松田の姿に、今すぐ駆け寄って抱き締めたい衝動に駆られる。

しかしそんな事をしたら松田に嫌われるのは分かっている。そも、いま告白現場を覗いてるのでさえバレたら大目玉だ。

松田が視界から消え、舘川の呑気な鼻歌が聞こえてきたあたりで、

｢しねっ！！！｣
『ぐふぅっっ』

舘川に渾身の右ストレート。綺麗に決まった。A勝利間違いなし。