らぶ13 ページ13
「俺が舘川と飯食いてぇっつったのに! 伊達の阿呆!」
涙目で伊達に抗議する松田と、そんな松田をおおらかな笑顔で受け止め、更にはちゃっかり頭も撫でている伊達。
彼の前には空になったお皿。俺の前にも同じように。
騒ぎ出した降谷達を見て、長くなる事を察した俺と伊達は先に昼食を済ませていた。
正直俺と一緒に飯を食った所で楽しい事など何もないと思うのだが、松田は何にこだわっているのだろう……。
まぁ考えるだけ無駄。イケメンの思考は平凡顔には分からないものである。
水をがぶ飲みしながら横目で松田達を見る。
「なに松田泣かせてんだ」
『ぶっ』
と、唐突に耳元で囁かれ(ドス声)、俺は思わず口に含んだ水を吐き出すところだった。むしろちょっと出てた。
『……いきなりなんだよ諸伏』
こんな幽霊紛いの事をしたのは諸伏景光。
圧倒的過激派降谷零と、元の性格と幼馴染故の重い愛が化学反応を起こす萩原研二と比べると些か目立たないタイプ。
でもこういう奴が怒らせると1番怖い事を俺は知っている。何故なら幼い頃の近所の姉ちゃんがそうだったから。
まじあの女にんげんじゃねぇ。
閑話休題。
話しかけてきた諸伏の表情は曖昧で、少し不本意そうでもある。
降谷と萩原がどさくさに紛れて松田を甘やかしてるのに、彼が参加してないのを見ると俺に大事な用でもあるのだろうか。
「……すっげぇ不本意なんだけどさ」
『うん、表情からも伝わってるよ大丈夫』
「…………松田は、ホントに舘川が好きなんだ」
『あー、まーだろうね。じゃなきゃ同性に告白なんてしないだろ』
「お前のことを話してる時の松田は凄い嬉しそうで、幸せそうで、何よりとてもかわいい」
『最後に力篭もりすぎじゃね?』
「俺らと舘川が喧嘩してるとホントに哀しそうな顔をするし、お前のこと悪く言うと不機嫌になる」
『まぁ松田お前らの事大好きだからな』
「…………そう、かな」
『おー。すっげぇ相思相愛だなって俺昨日感じたけど』
弱々しく発された諸伏の言葉に力強い肯定を返す。
「……そっか、」と納得したように頷き、諸伏は俺の顔を見た。
聞いて驚け、今の今まで諸伏は顔を伏せ俺から目を逸らしていたのだ。
俺でも流石にちょっと凹むよ?
「じゃぁ、いいや」
『何が』
「んー、俺は大人しく舘川と仲良ししようかなーってこと!」
『は? 遠慮します』
「まーそんなつれねぇこと言うなって!」
快活に笑って、諸伏は俺の肩を叩いた。痛てぇよ。
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木犀 - 心臓が…ヴッ (11月12日 10時) (レス) @page25 id: 68b438f60e (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - 続きを……見せてくれ……グハッ(尊死) (5月25日 23時) (レス) @page25 id: 3ae1de71d0 (このIDを非表示/違反報告)
プラみこ - 続きは? (2022年12月6日 0時) (レス) @page25 id: dfed105dba (このIDを非表示/違反報告)
た - 続きが欲しいです。! (2022年5月13日 22時) (レス) @page25 id: 9def5872af (このIDを非表示/違反報告)
はろ。(プロフ) - かわいすぎて、、、、続きらないんですか!!。!!!! (2022年5月12日 17時) (レス) @page25 id: a6aa59562f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フィラン | 作成日時:2018年11月10日 19時