sha ページ10
入学式で初めて見たときに可愛いなって思った
小さいときからずっとやっとったから勿論高校でも野球部に入った
見学の時は気づかんかったけど入部したらマネージャーとしてあの子がおった
すっごい嬉しくて、自己紹介の時に変なことを言った気がする
練習もあの子がいると思うだけで頑張れた
我ながら単純やなって思う
クラスも一緒やから仲良くなるのに時間はかからんかった
運動部のマネージャーやから体力面でもかなりキツイと思ったから練習の間や終わってからも手伝ったりした
ちょっとでも自分を見てもらうため
ちょっとでも自分を知ってもらうため
「ホンマ毎日大変やなあ」
『んーでも、大変だけど達成感はあるからね』
掃除もボール磨きもドリンク作ったりも大変だけど皆のためにって思うと頑張れるんだ
って笑う彼女に本当に恋をした
なのに…………
「そう言うてもキャプテンのためやないん?」
『えっ?いや皆のためだよ』
そう、慌てて言うてるけど
顔真っ赤やで
説得力全くないで
「キャプテン格好いいもんなぁ」
『うん、そうだね』
「好きなんやろ?」
『えっ!違うよ。うん。違うよ!』
だからな、顔赤いって
ああ、おもんない
『……だって私が好きなのは……』
「あっ!しもた、部室に忘れ物してしもた」
『えっ?鍵閉めたのに…………何忘れたの?』
「ん?水筒と携帯」
一緒に来てくれる?
仕方ないなぁ
何て言いながら部室に戻る
先輩たちは今日は先に帰ったので今いるのは俺と彼女の2人だけ
自主連すると先生には伝えてあったので終わったら鍵返せよ〜と軽く言われただけ
つまり邪魔者はいない
部室に2人して入る
彼女を先に入れ、俺は後から入る
ドアを閉め、後ろ手で鍵を閉める
『ねえ、ロッカーに入れてた?』
「いや、カバンに入っとったわ」
『えっ?』
彼女はロッカーを開けようとしていたが、俺の声に振り返る
振り返った彼女をロッカーに押さえつけ、そのままキスをする
勿論逃げようとするが男と女では力が違いすぎる
『……め………シャ…………』
「何?」
一度キスをするのをやめ、彼女を見ると目に涙を浮かべていた
『何で?』
どうして?
「だってお前が好きやから」
キャプテンなんかにあげたない
そう言うと顔を真っ赤にさせて俯いた
『……だったらさ、ちゃんと話聞いてよ』
私だってシャオロンのこと好きだよ
「……へっ?」
そう言う彼女は真っ赤で
「………やり直しさせて」
ずっと好きやった
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