八十七通目 ページ38
「先週、THE RAMPAGEのボーカル、川村壱馬さんが女優の〇〇さんと二人で歩いているところを週刊誌に撮られたことについて、直筆のメッセージを公開しました」
「この人めちゃくちゃ女性関係に気を使ってたんでしょ？」
「共演した女優さんともツーショット写真は撮らないとか」
「相手の女優さんによると、自分が酔っているところをタクシーの多いところに連れて行ってくれただけらしい」
「この日も二人で飲んでたわけじゃないって一緒に飲んでた俳優さんたちが言ってるね」
「でもどっちか気があったんじゃないの？」
「いやでもこんなにほかの俳優からフォローされるってことは真面目な人なんじゃないですか」
「さぁ、真面目なら抜かれないでしょ」
下卑た名前も知らない評論家とやらが、げらげら笑う。
とあるお昼のワイドショー。
テレビに映った直筆のメッセージは…。
見覚えのある字だった。
川村壱馬より。
そう書かれた文字に、胸がぎゅっとなる。
雑誌に抜かれた写真は、私との写真じゃなかった。
綺麗な女性が、腕を絡ませている。
その女性の視線は…彼に注がれている。
そう、だよね。
なんで彼と関わっている女性が、私だけ、なんて思ってたんだろう。
…手紙の字、震えてる。
きっと不安で、動揺したに違いない。
壱馬さんは、女性関係に気を付けていたのに。
ドクドクと心臓が鳴って、ずきずきと痛む。
感情が、忙しい。
…これが、私だったら…。
想像しただけでも背筋が凍った。
たくさんのファンを敵に回して…仕事とかにも影響が出たり…。
…馬鹿！こんな時でも自分ばっかり…！
こんなにも、壱馬さんが大変な時なのに。
私とのスキャンダルが撮られなかったのは…。
きっと、私という存在がお兄ちゃんの思い付きによって誘われたイレギュラーで…
あの日はお兄ちゃんと壱馬さんが会うって…パパラッチも分かっていたからかもしれない。
また…私はお兄ちゃんに守られてた。
……でも
ここで壱馬さんに慰めの言葉をかけるのは、私の役割じゃない。
…私がそんなことしたら、ダメ。
「…A？」
「………」
「A！」
「あっ…ごめん、桃花ちゃん」
呼ばれてようやくハッとした。
…そうだ、今お昼御飯中だった。
会社の食堂に設置してあったテレビにくぎ付けになってしまっていた。
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彼岸花(プロフ) - 夜宵-yayoi-さん» コメントありがとうございます！続編もよろしくお願いします！ (2023年2月19日 23時) (
レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
夜宵-yayoi-(プロフ) - 続編楽しみにしてます！ (2023年2月19日 21時) (レス) @page50 id: 213e291fb2 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 紫雨さん» コメントありがとうございます！続編も見ていただけると嬉しいです！！ (2023年2月19日 21時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - 続編楽しみにしてます！ (2023年2月19日 19時) (レス) @page50 id: 1db2654d16 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 紫雨さん» コメントありがとうございます！幸せになるまでもう少しかかりますので気長にお待ちいただけると幸いです！ (2023年2月17日 21時) (レス) @page46 id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年1月24日 18時
