寒さ Yuta Side ページ43
いつの間にか秋が終わって厳しい寒さの冬になった。
寒さに凍えて歩く俺の隣にはAがいた。
寒いねなんて言って手を擦るA ぎゅっと手を握ると顔を赤らめて俺から目をそらす。
裕「今日は〜服買いに行って美味しい物食べてそっから俺の家来てゆっくりしよっか」
貴「うん！」
ショッピングに行くとAは無邪気にはしゃいでいる。まるで子供みたいだ。
貴「どれが似合うと思う？」
裕「うーん、全部」
貴「…そんなこと言われたら全部買っちゃうからダメ。」
頬を膨らませて言うA。でもほんとに全部可愛いと追い打ちをかけるとさらに照れている。そろそろ慣れて欲しいけど笑
欲しい服を買ってご飯を食べて俺たちは家に帰った。
2人でソファに座り込む
裕「A〜ちょっと目瞑って」
貴「なになに、」
目を瞑ったAを後ろに向かせてネックレスをつける。目を開けたAはネックレスを見て驚いていた。
裕「これ、Aに似合うと思って」
貴「嬉しいありがとう…！！」
俺に抱きついてくるA。ああほんとに好きだなって再確認させられる。
でもこのネックレスをプレゼントしたのには理由があった。
裕「俺、Aに言わなきゃいけないことあってさ」
貴「どうしたの？」
裕「俺、引っ越す事になった。就職先がここからだと通えなくて。結構遠くなんだ。」
貴「…そっか。でも大丈夫！だって前とは違うもん。私、いっぱい裕太に会いにいく。だって裕太には頑張って欲しいもん！」
Aは俺を見つめて笑っていた。1度離れ離れになった時はお互いの連絡先も知らなくて、引越し先も知らなかった。だけど今は違う。
裕「Aおいで」
俺はぎゅっとAを抱きしめた。こんな華奢な体で乗り越えてきた色々な事を思うと尚更幸せにしてあげたいと思った。
まだすぐに離れてしまうわけじゃないのに俺達はその夜
お互いの全部を確かめるようにいつもより深く深く愛し合った。
目が覚めると君は俺の頭を優しく撫でていた。
貴「裕太、気持ちよさそうに寝てたよ、起こしてごめんね？」
裕「いいよ。でももうちょっと一緒に寝よ？」
そういい俺達はまた眠りについた
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作者名：とまと | 作成日時：2019年8月6日 8時
