迷い ページ38
宮「俺、玉と友達なんだよね〜」
貴「えっ？」
宮「だから玉森裕太！！まさかAちゃんと玉が付き合ってるなんて世間は狭いな〜」
貴「…そうだったんですね」
ほんとに世間は狭いな。そう思った。そう考えると遠回しに相談してたのが小っ恥ずかしかった。
宮「今日玉と大学で話しててさ。Aちゃんの事気にしてたよ。できるならずっと一緒にいてやりたいって真剣そうに言ってて、俺ちょっと恥ずかしかったよ笑」
貴「裕太がそんなこと…」
宮「簡単にしか聞いてないけどAさん大変だったね。よく頑張ったよ」
貴「宮田くん…ありがとうございます。でも私裕太といる資格ないんです。」
黙って私の話を聞いてくれる宮田くん
貴「友達から裕太を取ったんです。嫌なものまで押し付けて…」
宮「押し付けたなんて言い方よくないよ。玉はAさんの事が好きで自分で決めたんだよ。Aさんが悪く思う必要ない」
貴「でも裕太はそんなこと一度も…」
宮「わかってあげて欲しいな。玉は結構シャイなんだよ？」
宮田くんは私の知らない学校での裕太を教えてくれた。スポーツしてる時は女子にキャーキャー言われてて授業中は後ろでずーっと寝てて。
女子に告白されても好きな子がいるんだってキッパリ断ってるらしい。
宮「その好きな子は、ずっとAさんだった。だから玉に奈々さん？っていう彼女がいるなんて知らなかった。Aさんも玉のことが好きなら信じてあげて欲しいな。」
貴「……宮田くん。ありがとうございます。時間使わせちゃってごめんなさい。」
宮田くんは笑い、そろそろ戻らなきゃと言って休憩室から消えていった。
裕太の思ってる事が宮田くん越しでも聞けたことが嬉しくて今すぐにでも裕太に会いたくなった。
この間もらった合鍵の存在を思い出して私はバイト先をでた。
少し早歩きで裕太の家に向かった。
裕太の家の前について階段をのぼり鍵をあけようとした。すると家の扉は空いていた。
恐る恐る中に入ると裕太が部屋から出てきた。
裕「A！？どうしたの？」
貴「…会いたかった」
裕「ふふ…おいで？」
裕太は両手を広げて私を待った。胸の中に思いっきり飛び込んだ私を裕太はちゃんと受け止めてくれた。
裕「どうしたの寂しくなった？」
貴「うん。」
裕「とりあえず入りな」
裕太は私を部屋に案内した裕太宮田くんの話とその前の話を私は始めた。
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作者名：とまと | 作成日時：2019年8月6日 8時
