君に会えるから (ページ34)

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逆上ページ34

裕太と結ばれてから毎日が幸せでまるで今までのことかなかったようだった。

裕「A、今度2人で出かけない？」

貴「うん！行こう！」

2人で出かける事なんて初めてじゃないけど恋人同士になってから行くのは初めてで何かドキドキした。

裕「どこ行こっか」

貴「私、裕太とお揃いのもの欲しい！」

裕「いいね、買いに行こっか」

さらっと予定を決めてしまうところも私達らしいね。なんて笑い合った。

そしてデート当日駅で待ち合わせをした私達
精一杯の可愛い服を着ていつもより念入りにメイクをして家を出た。

慣れないヒールを履いて歩く私。楽しみで待ち合わせより1時間も早く家を出てしまった。

？「A？」

誰かに名前を呼ばれて振り返った。するともう忘れかけていて、一番会いたくない相手の顔がそこにはあった。春樹だ。

まるで神様が汚れ切った私が忘れかけていたものをまた思い出させるように仕向けられたようだった。

貴「…何でここに居るの」

「いやたまたまだよ。」

貴「そっか。じゃあ」

急いでその場を離れようとする私を行かせまいと私の腕を掴んだ。

「なんでそんな冷たいの？」

貴「…当たり前でしょ。なんでそんなに無神経なの。もう関わってこないで。」

ピシャッと冷たい言葉を放っても春樹は1歩も引かなかった。

「なんで？俺の事好きでしょ？あの訳わかんない男に無理やり俺らは引き剥がされちゃったんだよ。だからさA帰っておいで。」

春樹のこの思考に理解ができなかった。正確に言えば理解なんかしたくなかった。こんなに好き勝手やって裕太のせいに出来るなんて

貴「私のことはどう思っててもいいよ。でも裕太は…裕太は私の大事な人なのもうこれ以上私に関わってくるなら警察行くから。」

春樹を睨みつけてそう言った。春樹は逆上し私の方へ向かってきた。怖くて目を瞑る。不思議なことに痛みは全くなかった

貴「…裕太！！！！」

裕「ッ…あぶねえな」

裕太は春樹の腕を掴んで止めていた。

裕「もうこれ以上Aに関わるなよ。お前はAを俺から奪って、奈々の事も奪って何がしたいんだよ。いい加減にしろよ」

「はあめんどくせーな。もういいわ」

春樹は逆方向に向かって歩き出した。

貴「裕太…ごめんね。」

裕「何か嫌な予感して。来てよかった大丈夫？」

貴「大丈夫だよ。ありがとう」

裕太は私を見て笑った。じゃあ行こうか。そう言って私の手を取って歩き出した。