君に会えるから (ページ33)

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5年ページ33

裕太に好きと伝えられてから数日が経った。バイトのシフトは入っていなくて今日が久々のバイトだった。

特に約束していたわけじゃないけど来てくれるかな。なんて淡い期待を抱きながら私は勤務に励んだ。バイトが終わり着替えて外に出る私。

裕「お疲れ様」

貴「裕太…！！」

裕「荷物持つよ」

私の肩にかかっている荷物を裕太が持った。行こうかと裕太は私に手を差し出した。その手を取っていいものか少し悩んだけどすぐに裕太に手を取られてしまった。

しばらく歩く私達。裕太は口を開いた

裕「今日俺の家来ない？」

貴「え…あ、うん。」

裕「行こ」

咄嗟に返事をしてしまってあっさりと裕太の家に行くことになってしまったのだ。

貴「おじゃまします…」

裕「うん」

そういい2人でソファに座り込む

貴「裕太…あのね」

この間の話をやっとの思いで始めた。

貴「この間好きって言ってくれて嬉しかったよ。いつも迎えに来てくれるのも凄く嬉しい。ありがとう」

裕「気にしないで。」

貴「私も裕太の事が好き。もう逃げないから。」

そういい私は裕太に抱きついた。裕太は私をぎゅっと抱きしめ返してくれる。涙が溢れて止まらない私を落ち着かせようと、裕太はぽんぽんと背中を叩いてくれた。

裕「5年も離れてたけど、これからその時間ちゃんと埋めていくから。好きだよA」

貴「ありがとう…私も裕太の事大好き」

裕「いっぱい傷ついたよね。大変だったの俺知ってるから。でももう大丈夫」

力いっぱい抱きしめてくれる裕太。５年越しにもう結ばれることなんかないって思ってた相手と今こうして一緒にいることがもう奇跡で嬉しくてたまらなかった。

貴「裕太…」

裕「どした？」

貴「…………お腹空いた」

裕「え。」

お昼ご飯を食べ損ねた私のお腹はペコペコだった。そんな私を見て裕太は呆れたように笑った。

ちょっと待ってて。なんて言ってキッチンへ消えていく裕太。それさえも愛おしくてずっとこの時間が続けばいいのにって

この時はそんな呑気なことを考えてた。