君に会えるから (ページ24)

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3人で宅飲みをしていたら奈々は酔っ払って寝てしまった。私と裕太の二人きりだった。

裕「奈々、久しぶりにAに会えたの相当嬉しかったみたい。」

貴「私も嬉しかったよ。」

奈々は気持ちよさそうにすやすやと寝ている。風邪をひかないようにそっとタオルケットをかけた。

貴「裕太と奈々凄い幸せそうでよかった。」

裕「そう…かな」

貴「うん。すっごく」

少し裕太の表情が沈んで見えたが私は余り気にしなかった。

裕「5年前もし引っ越さずにずっとこの街にいたら、もし引っ越す前にAが奈々の話をしに来なかったらどうなってたのかな。」

貴「…それでもきっと奈々と付き合ってるよ。」

裕「そうかな。俺あの時Aの事好きだったんだよ。」

想像していなかった言葉だった。私は驚き裕太を見つめる。裕太は私の方を真っ直ぐ見ながら伝えた。

裕「でも引っ越す前に、奈々の話をしに来てAは俺の事は好きじゃないんだって思った。Aは俺の背中を押そうとしてわざわざ言いに来てくれたから。無駄にできないなって思ったの。」

貴「…そうだったんだ。」

裕「うん…。あの頃は奈々の事友達としか見てなかった。だけどAが俺に言うくらいなんだからいい子なんだろうって。奈々を好きなのはAをすきだからだよ。」

そんなの…まだ私のこと好きでいてくれるみたいじゃん…。
もしあの時私が裕太に気持ち伝えてたら裕太の隣にいたのは私だったかもしれないってこと…？混乱する頭を整えながら言葉を紡いだ。

貴「これからも大事にしてあげてね。裕太なら安心して奈々の事任せられるから。」

裕「わかってる。でも今はAが幸せになることだけ考えよ。」

裕太となら幸せになれると思う。なんて言えるはずがなくて私はもう出てくることがないようにこの思いをぎゅっと奥底に詰め込んでしまったのだ。