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ベッドに寝転び目を閉じるも
先の一件のせいで一向に眠れない。





『……はァ』





息を吐きゴロンと寝返りを打つと
ベッドのスプリングがギシッと音を立てた。




それにしても、あの男
何者だったんだろう。



女だって直ぐに気づいたみたいだったし。

そんなに私の変装って分かりやすいのかな。


いっその事、髪を切るか…。


そんな事を思いながら
肩の下まで伸びた髪を指で摘んだ。






それに、あの帽子には
やっぱり見覚えがあった。


何時、何処で見たかは
ハッキリ覚えてないけど……





『…ダメだ。全然思い出せない』





思い出す事を諦めて今度は仰向けになり
頭の下で手を組んだ。





天井を無心で見つめてると
少しずつ意識がぼんやりとしてきて


………あ、これ寝れる。



そう思った矢先、コンコン、と
自室の扉をノックする音が聞こえて
パチリと目を開く。




トルコだと思い『は〜い』と緩い返事を返すと
ゆっくりと開いた扉の向こうに居たのは





「ゥヘェ〜!マジで女じゃねェか!」

「な?俺の言う通りだったろ?」



『……ッ!!』





欲に塗れた顔で笑う
この商船の乗組員の男2人だった。





慌てて帽子を取るけど時すでに遅し。



扉を閉めた男の背後から
ガチャっと嫌な音が聞こえた。

鍵を閉めた音だ。






「いつもトルコの野郎が近くをウロ付いてるせいでよォ、俺らはずっと手を出せずに居たんだが…」

「今日はアイツが来る心配も無さそうだし。楽しめそうだな」

『こっちに来ないで…ッ!』




ニヤリと下品に笑みを零す男たちが
ジリジリと歩み寄る。




『…ッ!ヤダ!離してッ!!』

「ヒッヒッヒ…あァ〜久しぶりの女だ!」





1人の男が私の手首を捕むと
馬乗りになりそのままベッドに抑え込まれた。

もう一人の男に足を抑えられ
私は完全に身動きを封じられてしまう。





助けてトルコ!!!そう叫ぼうと
息を吸い込んだ瞬間

冷たく鋭利な感触が喉元に当てられた。





「おっと…。声出したらそのまま喉元掻っ切るぜ?」

『…ッ』

「しかしよォ、トルコの奴だけズリィよな?俺らに黙ってこんなイイもん独り占めとは」

「バーカ、俺らもこれから好きに出来るじゃねェか」






そう言い馬乗りになった男の目が
私を捕えこう言っていた。



「この船に居たいなら
黙って言うことを聞け。」と。





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ベビーカステラ(プロフ) - あんちょろさん» あんちょろ様!コメントありがとうございます!たった今、パスワード解除しました!これからも読んでもらえると嬉しいです! (2023年4月3日 0時) (レス) id: 6cc3977ac9 (このIDを非表示/違反報告)
あんちょろ(プロフ) - 楽しく読ませていただいています♪次のお話はパスワードついてましたがまだ編集中の未公開ということですか? (2023年4月2日 0時) (レス) @page50 id: 67b3a9cf2e (このIDを非表示/違反報告)
ベビーカステラ(プロフ) - プスメラウィッチさん» 初めまして、コメントありがとうございます!勿論、オチはローさんにする予定です!これからも読んでもらえると嬉しいですっ! (2023年3月24日 9時) (レス) id: 58c35d3d2b (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説はトラファルガーローオチですか?できればトラファルガーローオチでお願い出来ますか?続き頑張ってください。応援してます。 (2023年3月23日 21時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ベビーカステラ | 作成日時:2023年3月16日 13時

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