検索窓
今日:11 hit、昨日:8 hit、合計:94,588 hit

・004 ページ4








軽い昼食を取って少し街を歩いていると
街の中心の辺りに辿り着いた。





「お、本屋があるぞ!行ってみるか?」

『うん。行きたい。』






建物の軒下にぶら下がる本を象った看板を見つけ
其処へ向かった。


扉を押し開けるとカランコロン、とベルの音がして
古い本の独特な匂いが鼻を掠めた。



「いらっしゃい」と出迎えてくれたのは
眼鏡をかけた一人のおじいさん。

とても優しそうな人だった。







『トルコ、本に興味ないでしょ?他のお店見ててもいいよ?』






読書が好きな私にとって本屋は最高な場所。
本を読まないトルコにとっては暇を持て余してしまうだろう。

そう思い店の窓の外に見えた他のお店を指さした。





「ん〜…。そうだな。じゃあ、その向かいの店に居るよ」

『分かった。後でそっちに行くね』

「いや、俺の買い物の方がすぐ終わるだろ。俺がこっちに迎えに来るよ」






私は本の事となると
時間を忘れて没頭してしまう所がある。

長い付き合いでそれを分かっているトルコは

「また後でな」と
私の頭に優しく手を置くと本屋から出て行った。











天井に届く程、大漁の本が並ぶ棚。
とても胸が躍った。


小さなお店ではあるけど
興味を引かれるものばかり置いてあるので
どれを買おうかとても悩ましい。



一冊一冊手に取り
パラパラと捲っては棚に直すを繰り返した。





何度目か、その作業を繰り返していた頃
背後から「いらっしゃい」と
おじいさんの声が聞こえた。



もうトルコが来たのかと思って振り返ると

そこに居たのはトルコより上背のある男の人。
『良かった…』と、ホッと胸を撫で下ろす。


でもふと思い直し、改めて
今来た男を見た。


肩に担いでいるアレは何?
もしかして、刀?

うわァ…。物騒な人が入って来たなァ…。


……それにあの帽子、何処かで……。







「………」

『……ッ!!』





一人頭の中で問答していると
男とバチッと視線が交わった。


しまった。見過ぎた…。



慌てて視線を本棚へ戻して
自分の帽子の鍔をグイっと下げた。


カツカツカツ…、と足音が近付いて来る。


最悪な事にその足音は私のすぐ隣で鳴り止み

私の右半身に
人の気配と大きな影が落ちて来た。







………ヤバい、どうしよう…。










・005→←・003



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (55 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
197人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ベビーカステラ(プロフ) - あんちょろさん» あんちょろ様!コメントありがとうございます!たった今、パスワード解除しました!これからも読んでもらえると嬉しいです! (2023年4月3日 0時) (レス) id: 6cc3977ac9 (このIDを非表示/違反報告)
あんちょろ(プロフ) - 楽しく読ませていただいています♪次のお話はパスワードついてましたがまだ編集中の未公開ということですか? (2023年4月2日 0時) (レス) @page50 id: 67b3a9cf2e (このIDを非表示/違反報告)
ベビーカステラ(プロフ) - プスメラウィッチさん» 初めまして、コメントありがとうございます!勿論、オチはローさんにする予定です!これからも読んでもらえると嬉しいですっ! (2023年3月24日 9時) (レス) id: 58c35d3d2b (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説はトラファルガーローオチですか?できればトラファルガーローオチでお願い出来ますか?続き頑張ってください。応援してます。 (2023年3月23日 21時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ベビーカステラ | 作成日時:2023年3月16日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。