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海「あ、拓弥いた」
拓「……海…」
非常階段に腰掛けて一人でぼーっとしている拓弥がいた。隣に腰掛けると、俺さあ、と拓弥はぽつりと話し出した。
拓「……引かれた…かな…完全に」
ちらりとその横顔を盗み見ると、かなり絶望的な顔をしていて。こんな拓弥の顔初めて見たから、正直レアだとか思ってしまう。けど、その右手は震えて赤みを帯びていて、拓弥のあの一撃にどれだけの怒りがあったか。そんなのずっと一緒にいる俺にはすぐにわかった。稜雅だってきっとそうだろう。
海「俺はかっこいいと思ったけど」
拓「……けどAは嫌だろあんなの」
海「そんなの、本人に聞かないとわかんないよ」
拓「…ムカついた。あいつが泣かされてるのも、触られてるのも、許せないと思った」
海「………」
拓「…本当は、もう二度と学校に来られないようにしてやりたかった」
さらりと怖い事を言うな…。
きっと拓弥はAちゃんが怖い目に遭ったのにすぐに来てやれなかった自分への怒り、手を出した山崎も許せないという怒り。けれどあんな自分の姿を見せてしまって、またAちゃんが自分に恐怖心を持って嫌われるんじゃないかと不安な感情とでごちゃごちゃなんだと思う。
…正直、嫌われる心配とかはしなくていいと思うけど。
海「…Aちゃん保健室で休んでるって」
拓「………」
海「…行かないの？」
ポケットのスマホが震えて、画面を見ると稜雅からのメッセージ。その内容を伝えると拓弥はまた黙り込んだ。
行ってくれよ、お願いだから。それじゃないと、俺。
海「…じゃあ俺が行こうかな」
拓「……え？」
海「好きな子がこんな状況で一人でいるなんて、俺耐えらんないよ」
諦めようと、抑え込んだはずの気持ちがまた湧いてきてしまうから。
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な な .(プロフ) - まいめろさん» コメントありがとうございます！それぞれのお話後日公開しようと思います！ (2017年5月20日 22時) (
レス) id: 41e39c4ebf (このIDを非表示/違反報告)
まいめろ(プロフ) - この話大好きで更新楽しみにしてて、今回終わってしまったけど本当に面白い作品でした！！出来れば稜雅くんと由香ちゃん、海くんと女の子のお話も読んでみたいです！！ (2017年5月19日 6時) (レス) id: 5d49ea269e (このIDを非表示/違反報告)
な な .(プロフ) - 田中れなさん» 大好きと言っていただけて嬉しいです（ ; ; ）頑張ります！ (2017年5月5日 22時) (レス) id: 41e39c4ebf (このIDを非表示/違反報告)
な な .(プロフ) - エムさん» ありがとうございます（ ; ; ）暖かいお言葉ありがとうございます！頑張ります^_^ (2017年5月5日 22時) (レス) id: 41e39c4ebf (このIDを非表示/違反報告)
田中れな - な な .さん» このお話大好きです！更新頑張ってください！応援してます^^ (2017年5月5日 14時) (レス) id: 2b82d704e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：な な . | 作成日時：2017年4月17日 22時
