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彼女と連絡が取れなくなる前、
突然、物忘れが激しくなった。
昨日の夜ご飯、時にはさっき食べた昼ご飯すら
思い出すことができなかった。
すぐに息切れをするようになった。
もともと、運動が得意ではなかったけど
俺がちょっかいをかけて逃げた時、
少しの距離でも、立ち止まって息を整えていた
神ちゃんの様子が、おかしくなった。
ぎこちない笑顔、何かを言いかけてやめたり、
嘘をついている時のクセ、を何度も見た。
『大毅へ』
淡いピンク色の手紙がポストに入っていたのは
彼女と連絡が取れなくなって1ヶ月が経った頃、
自分だけが知らなかったことが、そこには書かれていた
ずっと目を逸らしていた、認めたくなかったことが
真実になった。
今まで必死に掴んでいた彼女の手は、
とっくの昔に無くなっていたことに、気がついた。
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作者名:鵲 | 作成日時:2019年12月4日 11時