ほつれたリボン １−�� ページ25
印字を追って想像していたより、ホグワーツは奇妙なことでいっぱいだ。半分寝た状態で噛みもせずクラムチャウダーを流し込みながら、時間割を眺めた。
今のところ一度も階段の気紛れやら愉快犯のポルターガイストやら意地悪なフィルチに当たったことがないので、ビンセントとグレゴリーの嘆きを笑って聞けるが、今日こそ無遅刻無欠席が失われるかもしれないと毎日思っている。
シャルルとドラコは一緒に行動しているので、必然的にドラコもスムーズな学校生活を送っているはずなのだが、ここ数日はずっと浮かない顔だ。今日の授業で贔屓されたら少しは気分も上向くだろうか。
金曜日は初めての魔法薬学の授業だ。
教授の名前はドラコの父君であるルシウスがよく出すものの、実際に会ったことはない。セブルス・スネイプはスリザリンの寮監で、彼も例に漏れず放任なところがあり、一年生との関わりは非常に薄い。監督生に指示を通していると言う者もいたが、噂程度だった。それでもスリザリン生に特別甘いのは事実なので所謂“先生”という立場にしてはあまり鬱陶しがられていない。
シャルルもルシウスとのことや前世の記憶がなければ気にも留めなかっただろうが、これまでに受けた授業から教授の能力によりけりだと学んだので、魔法薬学にかけてイギリス有数の敏腕らしいという事前情報を持つシャルルは少しだけ楽しみにしていた。
今のところクィレルによる闇の魔術の防衛術が最悪で、マクゴナガルの変身術が最高の科目だと感じる。マッチ棒を針に変えるくらいどうってことないが、授業終わりに質問に行ったとき一番丁寧に答えてくれるのは彼女だった。まあ、隣にいるドラコを一番丁寧に減点するのも彼女なのだけれど。
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作者名：砂な | 作成日時：2023年3月25日 23時
