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セカンドプロローグ ２−�� ページ22
そんな気楽なことを考えながらも、シャルルの表情は固い。“アンリ”という単語が聞こえてしまってうんざりしているのだ。
「今代も闇に堕ちた」
「マルフォイの犬め」
「子供の皮を被った冷血漢」
「よく平気な顔して入学できたものだ」
シャルルは気を紛らわせようと思い、壁の方で優雅に浮遊しているレイブンクローのゴーストを眺める。ゴーストの女性はすぐ視線に気づいて振り向き、怪訝そうに首を傾げた。灰色の髪がさらさらと冷気を放つ。シャルルが甘い声で口説く間もなく、壁の向こうへ消えてしまった。トム・リドルのせいで口説くことも許されないなんて。
……甘いといえば、先程からほんのり砂糖の匂いがするような。
テーブルを見ると、いつの間にかデザートに切り替わっていた。シャルルの顔が輝く。なんて素晴らしい光景だろう。夢みたいだ。大広間を目にしたときよりも幸せそうにうっとりと目を細める。
爽やかなレアチーズタルトと、艶々のミックスベリータルトをツーピースずつ。表面を焦がした芳ばしいカラメルプディングを三カップ。おおぶりの苺が乗ったストロベリーショートケーキと、苦くも蕩ける甘さのザッハトルテと、レモンの薫るスフレケーキをワンピースずつ。どれも有名店に負けず劣らずの味わいである。
そこまで胃に落としてから一旦かぼちゃジュースを挟み、さて次はどれにしようかとフォークを構えたところで、左手を捻り上げるようにして掴まれた。ドラコは何か不可解なものを目撃してしまったような顔でこちらを見下ろしている。
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作者名：砂な | 作成日時：2023年3月25日 23時
