断頭台で待ち合わせ (ページ21)

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セカンドプロローグ　２－➈ ページ21

「おい、食べないのか？」
「食べるよ。気後れしてしまっただけだ」
「ふん」
「ドラコこそちゃんと食べな。ところで君達、そんなに食べてデザートまで入るのかい」
「これでも我慢してるんだぜ」
「夜食がないなんて信じられるか？」
「確かにね」

　生徒の反応を伺うに、ずらりと並んだ料理の数々はどれも絶品らしい。伝統的なイギリス料理が不味いといわれるのは野菜の煮汁を捨てるといった暴挙に出るからであって、イギリスどころか世界中で御上を世話する屋敷しもべ妖精様の手に掛かればNoProblemなのだ。
　あまり食欲は湧かないけれど、ビンセントの言う通り夜食は手に入らないので今のうちに詰め込むべきだろう。血が滴るように肉々しいラムチョップに齧り付き、ごくりと飲み込んだ。

　ごつごつした骨が皿に三つ乗った頃にはスリザリン生も互いに馴染んできて、小さなグループが生まれている。聖二十八族であるドラコは上級生に一目置かれ、同級生にもちやほやされて楽しそうだ。
　シャルルには彼をおだてる趣味はないのでそそくさと輪の中から抜け出す。隣り合って座っていたビンセント達はシャルルの意向を伺うように首を傾げたので、気にしないようにと伝えて、誰もいない端の席に座る。今度彼らのために夜食用の菓子を見繕っておこう。ドラコを介さずには殆ど話したことがなかったから気がかりだったけれど、案外やっていけそうだ。

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