セカンドプロローグ ２−�� ページ20
組分け儀式は概ね原作通りに恙無く進んだ。
なぜ“概ね”かというと、ハリーの組分けが原作よりも長かったように感じたのである。あくまでシャルルの所感に過ぎないし、スリザリンからグリフィンドールのテーブルへ移って帽子と何を話したのか尋ねられるほどシャルルは頭の軽い少年ではないので真実は闇の中だ。
最後の一年生、ブレーズ・ザビニが寮(スリザリン)を宣告され、校長の個性的な祝福を合図に晩餐が始まる。
シャルルはレモンケーキをひとかけ腹に入れただけだったが、周囲の生徒のようにがっついて口の周りを脂まみれにするほど気持ちの面で空腹ではなかったので、惰性で最後の一年生を眺めていた。
ドラコやシャルルとは反対側の席に着いた彫りの深い黒人の少年は狭い待合室で欠伸を噛み殺していた彼である。白色人種ばかりに囲まれていたので、元有色人種であるシャルルとしてはそこはかとなく親近感を覚えた。
そうしていたら、ふと、その奥のグリフィンドールのテーブルに座っている赤毛の双子と目が合った。するとその隣の頭がびくりと揺れる。シャルルは人影に隠れている少年を見ようと身体ごと視線を横にずらし、そして眉を下げた。ウィーズリーだ。きっとチャールズの友人が例の一族の末裔であるというビッグニュースをいち早く兄達に伝えておきながら、伝書鳩紛いの真似をしたことに今更引け目を感じているのだろう。
双子が口の動きを揃えて「やあ、うちのチャックが世話になったな！」と言うので、シャルルも声は出さず無難に会釈すると、双子は楽しげに肩を揺らしていた。
そのすぐ後、グリフィンドールのテーブルから悲鳴が上がった。首無しニックだろう。首の断面図なんて好きこのんで見たくないので、シャルルは再度組分け帽子に感謝した。機会があればまた喋りたいくらいだ。
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作者名：砂な | 作成日時：2023年3月25日 23時
