逃げただけでした。#1

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＿＿＿＿＿＿ダメだ。

時間が経てば経つほど寝れない。それにお酒を飲んだせいか、喉が渇いて仕方なかった。




いつもは配信業をしている身でもあるので、水分補給は欠かせない。ペットボトルの水も、配信中や就寝前に隣に合って当たり前。





だけど、ここは私の家ではないし。

水を飲む為には、キッチンに行かなきゃいけない。つまり、リビング。葛葉が寝ている部屋だ。





リビングで私が水を飲みに行く時に、物音で起こしてしまうかもしれない。それが申し訳なくて。

それでも水を今、切実に飲みたくて仕方ない気持ちもある。


リビングに行くか、行かないか＿＿＿＿水を取りにいくか、いかないかをひたすら葛藤して。









結局私は、前者を選んだ。

思い切って、背中をベッドから押し上げて。そして毛布を巻き上げてから、脚を出して床に付けた。



薄暗い.......というよりかは真っ暗に近い廊下を、夜目を駆使して忍び足で進む。音を立てない様、気を配りつつ。


リビングのドアを、ゆっくり慎重に＿＿＿＿＿開けた。





流石に、もう葛葉は寝てると思うし。

多分何処かに自分の荷物を置いたはずだから、それが床に置いてあるかもそれないから、気を付けて。



キッチンまで行くにはソファの前を通らないといけないけれど、そんなに大きな音を立てなければ大丈夫。


そう、私は油断していたのだ。








『＿＿＿＿＿＿ぎゃっ！？』







リビングに足を踏み入れて、キッチンに向かって10歩程足を進めていた時。そう、丁度位置的にソファの前に来た時だ。


腕を強く掴まれて、声を上げた。
その勢いで、バランスを崩しそうになって。






＿＿＿＿＿＿待って、何が起きた？

咄嗟のことで、少しの間頭が混乱した。というか。






『＿＿＿＿＿＿起きてたの、葛葉』





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