第13話 この手のひらの中で ページ38
翌週の水曜日
私たちはあれからずっと、ただただ練習を積み重ねていた
あんず「アイ！」
A「カーツ！」
舞い落ちる桜の花びらを掴みとるように、簡単そうで難しい空中での姿勢制御
でも私はできると確信していた
A「スパイラルフラワー！」
傾斜のついたポーズのまま観客に手を振る
ギリギリのタイミング
限界のステップ
あんず「いった！今のすごくいいよ！」
それを、私たちは成し遂げようとしていた
私たちを突き動かしているのは、希望
あの時村崎さんの水色の瞳の中に確かに輝いていた、絶望の中でも何かを信じたいと思う心
A『ごめんなさい、私には村崎さんを勇気付ける話術も、道を指し示してあげるカリスマもない、でも・・・、』
あんず『私たちの気持ちを、あなたに伝えることはできるかもしれない、だから・・・、』
次のライブを、もう一度見に来てほしい
そう伝えて、あの日は別れた
あんず「これならいけるって！次は一緒にやってみよう！」
A「うん、絶対成功させよう！」
その"次のライブ"は、もう明日だ
どこまでやれるか、正直自分でもわからない
でも・・・、
『ピロン♪』
あんず「あっ」
A「冴草さんからテレチャ！」
冴草さん『二人ともお待たせしたわね、学生証の試作品ができたから送るわ。きっとびっくりするわよ』
少なくとも幸運は私たちに味方していた
☆★☆★☆
あんず「ナイスキャッチ♪」
A「あんずちゃんドローンをキャッチするの好きなの？」
一時間後、速達の黄色い高速ドローンがすっ飛んできた
あんずちゃんが手のひらを上に向けると、ドローンはその上でピタリと静止する
あんず「小鳥みたいでなんかかわいくない？そんなことより」
貼り付けられた封筒を開けると、中から出てきたのは・・・、
A「あれ？デコシールだ」
あんず「しかも100均のやつ」
ハートやスマイル、キャラクター柄のシールが数枚、それも値札が付いた売り物のやつだ
あんず『あの、届いたんですけど、これって・・・、』
冴草さん『ふふっ、驚いたかしら？それが2116年の新しい学生証よ』
A『ていうか、シールなんですけど』
ネックフォンでもう一度テレチャを開くと、冴草さんはエモシェアを送ってきた
これは・・・、嬉しい、思い通り、期待感
冴草さん『超薄型のICカードをコーティングしたのよ。一枚選んであなたたちの好きなものをデコりなさい、それがあなただけの学生証よ』
な、
なんだって〜〜〜〜！？
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かほ(プロフ) - きらるりさん» 本当ですか？！楽しみに待ってます！！ (2018年4月3日 8時) (
レス) id: c1e96e310d (このIDを非表示/違反報告)
きらるり(プロフ) - かほさん» わーっ、こんな昔の作品にコメントありがとうございます！本当に嬉しいです！ちょうど続きを書いているのでもうしばらくお待ちください (2018年4月2日 23時) (レス) id: cabc9f41a5 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - すごく面白かったです！更新待ってます！！ (2018年4月2日 23時) (レス) id: c1e96e310d (このIDを非表示/違反報告)
きらるり(プロフ) - ゆうきさん» ゆうきさんまだ見てますか？すごく経っちゃいましたけどあおいちゃん夢小説の連載を始めたのでよければコチラからどうぞ♪ http://uranai.nosv.org/u.php/novel/krrr_aikatsu11/ (2016年8月3日 23時) (レス) id: f49683637b (このIDを非表示/違反報告)
きらるり(プロフ) - ゆゆゆさん» 丁寧なコメントありがとうございます！その辺は意識して書いたので伝わって本当に嬉しいです！首輪は支配のシンボルとして書いているのですが、じゃあ誰が支配者なの？みたいな・・・、とにかく読み取っていただけて感動しました！本当にありがとうございました！ (2016年5月2日 17時) (レス) id: f49683637b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きらるり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/krrr_homepage/
作成日時：2016年3月20日 12時
