アイカツ！フューチャリングジェネレーション 第1巻

第15話 Sweet Sp!ce ページ40

『Sweet Sp!ce』

私たちがステージへと飛び出せば、そこはスポットライトのきらめくネオンカラーの世界
ブラックを基調にした派手なイリュージョンが眩しい

身に纏うのは、ノイジーピアニストコーデ
透き通るような水色に音楽をテーマにした装飾をあしらったクールなトップスの下で、ピアノの鍵盤を模した斬新なスカートが翻る

そしてあんずちゃんは、パープルマドラスコーデ
フォーマルなラインでありながら、その鮮やかなライトパープルと差し色のハイライトイエローは、
かつて存在した音楽の流派、ロックスタイルを体現している

Swing Rock(スイングロック)。
このブランドのコーデに宿されたのは、抗う魂、『反骨精神』

見ててね、村崎さん・・・、

運命とはこうやって戦うの！


『世界まで、走れ！』
『地図にない道だってOK！』

『『進めば、道になる！！』』


私たちは歌い始めた
走り出したら止まらない少女たちに捧げる、
甘くてスパイシーなメロディラインで

感情は、夢は、機械で作るものじゃない
自分の中から溢れ出てくるもの

それは全てを叩き潰した巨大なドローンにだって止められるものじゃない

私たちのアイカツも止められない
あなたも、そうでしょ？

『ピンチほど、瞳キラリン☆』
『キミとだから・・・！』

Run my way(自分の道をいけ)！
それが、アイカツ！

私たちは視線を交差させた
いくよ！スペシャルアピール！

イリュージョンが一転する
星々の中を螺旋を描いて舞い上がる私たち


交差する軌道は、咲き誇る花の前でシンクロする―――！


《スパイラルフラワー》！！！！



☆♪★♪☆♪★♪☆



アイカツシステムから舞台裏へと戻った私たちは、そのまま力尽きたようにその場へと倒れ込んだ
息が上がって、心臓が悲鳴のようにバクバクいってる

でも・・・、

A「やった・・・、」
あんず「できちゃったね、私たち・・・、」

ふへへっ、なんて変な笑いも込み上げてきた
こんな達成感、今まで味わったことない

いや、味わったことはある、そういうエモ映画でね
でも今のこの気持ちは、私が本当に何かを達成した証


やったんだ、私・・・、


横で倒れてるあんずちゃんの指にそっと手を絡ませる
この気持ちを共有したくて

あんずちゃんは、何も言わず指を握り返してくれた
それだけで全てがわかった

あんず「あー、そろそろ戻って司会しないと」
A「あ、やべ」

寝転がったまま、私たちはクスクス笑い合った

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