第11話 カコフォニー ページ36
♤アヤメサイド♤
あの日、あたしは新調したランニングシューズを試したくて外に出たんだ
イエローとホワイトの超いけてるやつさ
春の日射しの下を走るのは気持ち良かった
シューズはすぐに足に馴染んで、新記録だって出せそうないい気分だった
でも・・・、
それは突然起こった
後ろから追い風が吹いて、焦げ臭い匂いがした
聞いたこともないような低い唸り声みたいな音も
だからあたしは何だろうと思って何気なしに振り向いたんだ
頭上に影が下りたのはその瞬間だった
唸り声は1秒の間に爆音に変わった
あたしが走ってきた道を、黒い塊が突進してきて、
道路を紙クズのようにめくりあげながら、
はみ出した左右の家を積み木みたいに壊しながら、
あたしを殺そうと突っ込んでくる
バキグシャ、と不協和音がして、"それ"が前につんのめった
上側には回転するプロペラ、それをみてあたしはやっと理解した
巨大ドローンが墜落したんだ
あたしの目の前で・・・、
逃げなきゃ！
あたしは反対方向に走り出した
でももう一度爆音がしたとき、何かの大きな破片が背中に当たってあたしは吹っ飛ばされた
地面にうつ伏せに叩きつけられる
そして・・・、
『グシャ』
"その音"がして、ビクン、と体が勝手に跳ねた
『緊急救命アプリケーションが発動しました』
『痛覚を遮断しています・・・、』
『119ダイアルに自動通報しています・・・、』
『救命ドローン到着まであと 30 29 28・・・、』
視界にそんな文字列がドッと表示されて、あたしは急に全身の力が抜けるのを感じた
何が起きたのかわからなかった
何とか前を見ようとすると、通行人のおばさんが走ってくるのが見えた
頭上に赤十字のマークが浮かんでる
通行人「大丈夫ですよ、助かりますから・・・、ゆっくり呼吸してくださいね」
ああ、119番の人がネックフォンを通じて乗り移るやつだ
本物は初めて見たな・・・、
すぐに救命ドローンが来て、薬を打たれた
眠気が増して意識が遠のく
いつの間にか仰向けにされて救急車に運び込まれようとしていた
あたし、どうなったんだ？
痛みがないからわからないし、意識がどんどん薄くなってきて・・・、
あたしは・・・、生きてるのか？
死にそうなのか？
なあ、誰か教えてくれ
地面に墓標のように突き刺さったプロペラ
あそこに落ちているのは・・・、
新調したばかりのイエローとホワイトのシューズで・・・、
あれはあたしの足じゃないのか？
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かほ(プロフ) - きらるりさん» 本当ですか？！楽しみに待ってます！！ (2018年4月3日 8時) (
レス) id: c1e96e310d (このIDを非表示/違反報告)
きらるり(プロフ) - かほさん» わーっ、こんな昔の作品にコメントありがとうございます！本当に嬉しいです！ちょうど続きを書いているのでもうしばらくお待ちください (2018年4月2日 23時) (レス) id: cabc9f41a5 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - すごく面白かったです！更新待ってます！！ (2018年4月2日 23時) (レス) id: c1e96e310d (このIDを非表示/違反報告)
きらるり(プロフ) - ゆうきさん» ゆうきさんまだ見てますか？すごく経っちゃいましたけどあおいちゃん夢小説の連載を始めたのでよければコチラからどうぞ♪ http://uranai.nosv.org/u.php/novel/krrr_aikatsu11/ (2016年8月3日 23時) (レス) id: f49683637b (このIDを非表示/違反報告)
きらるり(プロフ) - ゆゆゆさん» 丁寧なコメントありがとうございます！その辺は意識して書いたので伝わって本当に嬉しいです！首輪は支配のシンボルとして書いているのですが、じゃあ誰が支配者なの？みたいな・・・、とにかく読み取っていただけて感動しました！本当にありがとうございました！ (2016年5月2日 17時) (レス) id: f49683637b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きらるり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/krrr_homepage/
作成日時：2016年3月20日 12時
