すりー。 ページ4
「歌？」
「そう」
俺が最初に彼女に教えようと考えたのは、俺の全てである歌だった。
「一ノ瀬さんは歌を歌うのが好きなの？」
「うん。大好きだし、それが仕事。」
「へぇー！」と目を輝かせる彼女に俺は少し気分が良くなった。
「今日、俺と一緒に仕事してる奴がお見舞いに来てくれると思うんだ。その時に紹介してやるよ」
「わっ、楽しみ」
クスクスと楽しそうに笑う彼女の横顔を見ていると、こいつは本当にもうすぐ死ぬのだろうか、と疑ってしまう。
「どうしたの、私の顔なんか見て。」
「いや、本当に死ぬのかなって」
俺の率直な問いに彼女は大声で笑い出した。
「死ぬってさっき言ったじゃん！どうしたの？記憶喪失？」
「信じられないだけ。馬鹿にするな」
「一ノ瀬さんってにんげんふしん？」と首を傾げながら言った彼女に、俺は返事をするのをやめた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 59人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ツネキ - 神作品、という言葉では収まりきれないほどいいお話でした。こんな素敵なお話をありがとう。 (2019年5月27日 15時) (
レス) id: b7a49d6e6e (このIDを非表示/違反報告)
暁月 - 感動しました。ほっこりして、最後には泣いちゃいました……。夢主ちゃんががつくった曲、聴いてみたいです。神作品でした！ (2019年1月15日 17時) (レス) id: b7a49d6e6e (このIDを非表示/違反報告)
くりふわ@想伝(プロフ) - 皆さまコメントありがとうございます！！！！一人一人に返すと同じ内容になってしまうので、ここで感謝を申し上げます！最後まで読んでいただき、そして嬉しいお言葉をいただき、本当にありがとうございました！！これからも頑張りますので、よろしくお願いします！！！ (2018年1月16日 21時) (レス) id: 77ed961b3e (このIDを非表示/違反報告)
シノア(プロフ) - 涙腺崩壊して泣いちゃいました。すごく、すごく感動しました。これからも頑張ってください！ (2018年1月14日 18時) (レス) id: d6b714ef91 (このIDを非表示/違反報告)
Juke19(プロフ) - １０分弱で読みきりました。いいお話でした。 (2018年1月14日 17時) (レス) id: ee9024a726 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
