28話。 ページ29
「わぁ。もう冬休みになるんだねぇ。早いなぁ」
「それなぁ」
間延びした相川さんの言葉に同じく間延びした声で応えると、天宮くんも「そうですねぇ」と乗ってくれた。
相川さんの言葉通り、明後日にはもう冬休みが始まってしまう。
ちょっとぎこちない空気が消えかけるまでには、一週間とちょっとの時間を要した。
一ノ瀬さんにも相変わらず気を遣わせちゃったし、ぎこちない私達をなんとか元に戻そうとしてくれた相川さんにも感謝だ。
「ねぇねぇ、ってあ。そういえばボクって二人の住所聞いていいのかな…?年賀状送りたいんだけど。」
うわ。そういえば年賀状のことをすっかり忘れていた。
生憎私は年賀状を送るほど親しい人といえば0組のみんなと親族くらいだ。
そっか。天宮くんは歩きで行けるけど相川さんは住所を教えないといけない。
「いいと思うよ。一ノ瀬さんなんの躊躇いもなく聞いてきたから。」
私の言葉に二人が苦笑する。
最初にその表情を変えた相川さんが「じゃあ教えてもらってもいい?あ、ボクの住所も教えるね」と可愛らしいメモ帳とペンを取り出した。
「まふまふさんの住所ゲットだぜ」
「悪用しないでね!?年賀状のためだから!!」
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るぅ(プロフ) - 小説見ても、最後のあとがき見ても泣きました!最高でした!これからも頑張ってください!全力で応援してます!! (2018年9月22日 22時) (レス) id: 44848c94a9 (このIDを非表示/違反報告)
しあ。(プロフ) - うはー、セイシュンすぎるー( ・ω・) (2018年7月20日 10時) (レス) id: 3344a8c17f (このIDを非表示/違反報告)
ゆずもち - なので周りの人に悩みが伝えられて『不登校』などでも自分で考えて選択できている人は私なんかより強い人だと思います。(実はリスカとかもしてしまっていて)こんなものをネットでしか出せない、しかもまとまりの無い自分語りでした。長文すいません (2018年7月11日 2時) (レス) id: 59a56879c2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずもち - 私は小説とかで出てくる『何でも言える友達』という存在が羨ましいです仲のいい子はいるけどどこか信用できなくていつも八方美人してしまって学校から帰って暗くなってしまいますでも不登校になったりとか特別な教室での通学するほどの勇気すら持てません (2018年7月11日 1時) (レス) id: 59a56879c2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずもち - 今回も素敵なお話でしたなんだか温かい気持ちになりました (2018年7月11日 1時) (レス) id: 59a56879c2 (このIDを非表示/違反報告)
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