27話。 ページ28
一ノ瀬さんが気を使ってくれて他愛のない話をしていると、からからと控えめにドアが開く音がした。
ドアの音はこの教室によく響く。
思わずびっくりしてしまったけど、私は即座に謝罪の言葉を口の中で準備した。
ゆっくり振り返ると、少し前と同じように肩掛け紐をぎゅっと握った天宮くんが唇を噛みしめて行き場なさげに目線を泳がせていた。
「…昨日はごめん、天宮くん」
緊張で声は裏返ってしまったが、天宮くんはびっくりしたような顔を作ってからぶんぶんと首を横に振った。
それからきゅっと結んでいた口を開けて、小さな声で、
「Aさんが、謝るなんて、なにも、悪くないのに。僕こそ、今日は一緒に行けなくて、ごめん」
と言ってくれた。
その言葉に一ノ瀬さんは「おはようをちゃんと言わないと。それより二人カップルみたいだね」と笑った。
なぜ私たちの様子がカップルになるのだろうか。そんな一ノ瀬さんを軽く睨むと、一ノ瀬さんは悪戯っ子の笑顔のまま「よかったじゃん」と一瞬で話題を変える。
「翔太、頑張ったね。一人でこれたんでしょ?」
「僕そこまで子供じゃないですよっ!」
天宮くんはそう言って強がったが、私たちにとっては登校するのにも大分体力を消費する。
でも、私はそのことを指摘してやるほどいやな奴じゃなかった。
恐る恐るといった風に定位置に座り、控えめに笑う天宮くんの顔を、なぜか私はずっと見つめてしまっていた。
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るぅ(プロフ) - 小説見ても、最後のあとがき見ても泣きました!最高でした!これからも頑張ってください!全力で応援してます!! (2018年9月22日 22時) (レス) id: 44848c94a9 (このIDを非表示/違反報告)
しあ。(プロフ) - うはー、セイシュンすぎるー( ・ω・) (2018年7月20日 10時) (レス) id: 3344a8c17f (このIDを非表示/違反報告)
ゆずもち - なので周りの人に悩みが伝えられて『不登校』などでも自分で考えて選択できている人は私なんかより強い人だと思います。(実はリスカとかもしてしまっていて)こんなものをネットでしか出せない、しかもまとまりの無い自分語りでした。長文すいません (2018年7月11日 2時) (レス) id: 59a56879c2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずもち - 私は小説とかで出てくる『何でも言える友達』という存在が羨ましいです仲のいい子はいるけどどこか信用できなくていつも八方美人してしまって学校から帰って暗くなってしまいますでも不登校になったりとか特別な教室での通学するほどの勇気すら持てません (2018年7月11日 1時) (レス) id: 59a56879c2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずもち - 今回も素敵なお話でしたなんだか温かい気持ちになりました (2018年7月11日 1時) (レス) id: 59a56879c2 (このIDを非表示/違反報告)
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